第015話 初のつわり 〜 彩香 〜
黄金は彩香に呼ばれ… 事務所近くに向かった。
『 お待たせ!』と私は言うと…
彩香はハンカチを目に当てながら泣いていた。
『 どうして泣いているの?』と聞くと…
彼女は繭夢先輩が亡くなった事にSHOCKと言って、目から涙が凄い出ていた。
『 まぁ、分かった。車中入って!』と私は言った。
彩香は助席に座り…
泣いている彩香の背中を摩った黄金。
『 思いっきり泣いて良いぞ! 』私は彩香に言った。
それからは、いつも通り。
黄金は、新しい選手を取る為に…
高校サッカーや高校バスケ、高校野球で活躍している選手のビデオ確認した。
(私の運営してるチームに加入かどうか…)
また、自動車関係者や金融関係者との雑談。
黄金の会社で今持っている事業関係を出来るだけ進めたりした。
彩香は大学院(経営学部)を無事に卒業する事が出来た。
【 番外編 】彩香。卒業式と前日。にて
大学院を卒業出来たので、アイドル活動に専念する事が出来た。
そして、6.7週間が過ぎた時の事だった。
(確実な時期はまだハッキリとはしてませんが…… )
彩香は日本ツアーのLIVEの為事務所近くの施設で合宿最中の時だった。
「 うっ。気持ち悪い…… 」
と彼女は膝を付いた。
「 大丈夫? 」
とその動作を見ていた麗奈ちゃんが走って来て言った。
「 まぁ、なんとか… 」
「 出来れば、今回のツアー中断しられよ!」
と桜雪ちゃんは彩香に言った。
「 熱は無いね… 」と七瀬ちゃんは額を当てた。
『 もし、気持ち悪いんだったら… 帰って休んで!」
と近くに居た知恵さんが理恵ちゃんと一緒に来た。
「 先輩!無理しないで… 休んで下さい! 」
“ 日本ツアーは私達に任せて、先輩は休んで下さい! ”
“ 私達に任せて。彩香さん休んで下さい! ”
“ 無理しないで下さいね! ”
“ 元気な姿見して下さい!”
と女の子達数人は彩香にそう言った。
「 無理しないで… 家で休んで下さい。」
と結衣ちゃんが膝を付いている私(=彩香)の手を握り起き上がらせた。
「 ツアーは私達に任せて下さい!」と真緒ちゃん。
「 先輩、任せて下さい! 」真純ちゃんも。
「 みんながそう言ってるから、帰って下さい。
電話する人居ますか? 」と麗奈ちゃんは聞いたので、
『 うん。大丈夫だよ!』と彩香は黄金に電話した。
私はその頃、家のリビングにて高校スポーツ関連の動画や一人一人のスキルなどを確認していた。
彩香からの電話だった。
『 もしもし、なんだ? 』
『 ちょっと、体調悪いから迎えに来てくれない? 』
と事務所近くの合宿の住所を彩香から聞いた私は、軽めの格好で家を出て車に乗り、その場所へと向かった。
1時間後… 黄金はその場所に到着した。
彩香に電話をし、着いたとの報告をした。
遠目だが… 朝出掛けた格好の彩香が施設から出てきた。
私は手を振り、“ こっちだよ! ” と合図をした。
彩香は車の方に向かって来て…
記者の人やpaparazziをしてる人が居ないか見渡しながら、車に乗った。
(この時、私たちが撮られていた事を後から知るのだ。)
『 身体大丈夫か?何かあったの? 』
と黄金は彩香に聞いた。
『 食欲不振、吐き気、嘔吐する。』と答えた。
私(=黄金)はすぐに悪阻だと確信した。
でも… 不安だったので、彩香のお姉さんである千恵美さんに電話をした。
『 はい、黄金さん。なんですか? 』
『 今、大丈夫ですか? 』
『 少し待ってて下さい。あと30分後したら休憩に入るので、折り返し電話します。』
『 ねえ、黄金さん。誰に電話してるの? 』
『 千恵美さん。お前のお姉さん… 』
少しの間沈黙……
『 少し横になりなさい。』
と黄金は彩香にそう言って座席を倒した。
私は流石にこのまま居るのは怪しまれると思い…
車を動かし、近くのコンビニに駐車した。
私はコンビニで自分の夕飯分を購入した。
1ℓ(リットル)の無調整牛乳に苺パン。
おにぎりを食べると、眠たくなるので… パンにした。
車に乗ると… 彩香は小さい声を出していた。
『 電話掛かってきたら起こして、それまで寝る 』と。
千恵美さんから電話が掛かってくる間…
私はパンを食べながら牛乳を飲み携帯を弄っていた。
ロシアとウクライナの戦争はまだ続いていた。
終結する様子は無く… 志願兵も死者数も増えていく一方だ。
プロ野球も開幕した。
あと選抜高校野球も開幕した。
私の仕事が増えるばかりだ。
アカデミア賞の発表が今日行われた。
日本の映画は2作品ノミネートされた。
また韓国の映画も2作品ノミネートした。
後… 8作品ノミネート候補に入った。
受賞した作品はアメリカの映画だった。
最優秀主演男優賞は日本のとある俳優。
あと日本からは脚本賞に国際長編映画賞を受賞した。
韓国からは最優秀主演女優賞に(安川)凛音ちゃんの親戚に当たる 朴信恵さんが受賞した。
また高校サッカーは富山県の私立高校。
高校バレーは男子が県立の高校。女子は私立の高校。
と嬉しいニュースが流れていた。
4.50分後… 1つの電話が掛かってきた。
千恵美さんからだった。
私は彩香の肩を叩いた。
『 千恵美さんからの電話だぞ! 』
彩香はゆっくり座席を起こし、私はスピーカーをオンにした。
「 彩香。身体どういう風になってる? 」
『 それほど酷くはないが…
食事や水分補給ができないほど。倦怠感、めまい、体重が減っていく。』と彩香は答えた。
「 うん。それは悪阻だな… 」
と千恵美さんはそれを聞いて即答で答えた。
『 悪阻って何? 』
「 ん?簡単に言えば… 妊娠してるって事。」
彩香は自分のお腹を触った。
『 え?私達の子供がお腹の中に居るって事? 』
私は頷いた。
「 そういう事だな… 」
千恵美さんは電話越しからそう言った。
“ ねぇ、千恵美ちゃん。お腹の中見たい。 ”
と彩香はボソッと呟いた。
そしたら、千恵美さんは…
「 今、4時で、6時頃に病院終わる。
その後… 家に向かうから待ってて! 」と言った。
彩香は助席で横になって…
私はコンビニを出て急いで家に向かった。
50分弱で家に到着し、私は私服に着替えた。
彩香も私服に着替えさせ… 私の部屋で横にならせた。
私は彩香が横になっている間…
自分の夕御飯の準備の為、近所のスーパーに向かった。
買い物をしていると、40歳前後の女性が声を掛けた。
同じ町内で、町内の皆は彼女の事を女将さんと呼んでいる。
何故なら、京都のとある旅館の女将であり、今は休みを取ってる為帰省してきているのだ。
「 こんばんは!龍雷神さん。今日は何を作られるんですか? 」
昨日も一昨日も女将さんとはスーパーで会っている。
『 考えてないですね… 今の所は。』
「 それだったら、このコロッケオススメですよ! 」
と肉のコーナーに陳列されている10個で200円と安いコロッケが置いてあった。
『 私の家は5個で大丈夫なので、あと5個お裾分けしましょうか? 』と言ってきた。
「 ねぇお母さん。今日の夕御飯は何? 」
と女子大生が女将さんに離れた所で言った。
「 まだ考えてないよ。」
女子大生は私に気付き御辞儀をした。
私は簡単なものを作ろうと、
馬鈴薯、人参、ベーコン、ウインナー、帆立、ブロッコリー、1L牛乳2本をカゴの中にいれた。
そう…… シチューを作る予定。
人参や馬鈴薯も切ってある状態の袋を手に取った。
ぶち込むだけで手間は掛からないようにした。
そして、レジに通ると…
後ろに並んでいた女の人が声を掛けた。
「 ご無沙汰してます。」と同い年の女性が言った。
彼女とは高校が同じで、
結婚されてこっちに引っ越してきたのだ。
「 今、こっちに住んでるんですか? 」
『 はい。都内に住んでいます。』
「 一度お話(お茶)とかしませんか? 」
『 分かりました。時間があれば寄らせて頂きます。』
と私はレジを終え、スーパーを出た。
家に着くと… 千恵美さんと愛さん[私の母]と美和子さん[彩香の母]の3人が彩香の隣で立っていた。
「 何処行ってたんですか? 」
と… 千恵美さんに言われたので、スーパーと答えた。
「 今日の夕ご飯は私達で作るから彩香さんの隣に居てあげられ… 」と私の母が言った。
私はスーパーで買った具材を冷蔵庫に入れた。
そして、千恵美さんは鞄の中から超音波画像診断装置という機械を出した。
そして、私と彩香はお腹の中を見る事が出来た。