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7 塔に閉じこめられたら新たな事実を発見しました

「ここでしばらく反省しなさいっ」


 屋敷に連れ戻された俺は、本棟から離れたところにある塔に放り込まれた。


 重そうな扉が閉められ、外から錠が下ろされる音がした。

 念のため押してみたが、開きそうにない。


 くそ、あのちんちくりん小娘め。自分で人を豚にしておきながら、豚の習性が発動したら怒るなんて理不尽だろ。


 しかし文句を言っても仕方ない。白骨死体にされなかっただけマシだと思うことにしよう。


 俺は塔の中を探索する。


 塔は三階建てで、一階は物置になっていた。

 埃の積もった古びた家具が大量に放り込まれている。

 その中にベッドがあったので、寝るのには困らなさそうだ。


 二階は空き部屋。なにもなし。窓があったが、小さすぎて脱走はできなさそうだ。


 三階も二階と同じような作りだったが、大きな違いがあった。

 大量の本が置かれていた。


「これは……」


 俺はいくつか本を手に取ってみる。


 どれもすごい埃で、しばらく触っていない様子。

 あの気まぐれお嬢様のことだ。きっと読書でもしようと思い立って大量に買い込んで、ろくに読まずにここに放り込んだんだろう。


 どの本も魔族の文字で書かれていて中身はさっぱりだった。


「ん、これは読めるな」


 その中に一冊、人間族が書いたらしい本があった。


 そんなにすらすら読めるわけじゃないが、ちょっとだけ習ったことがあるので、わかる単語もある。


 なんの気なしにパラパラとめくってみる。


 魔族が使う魔法についての本のようだ。たぶん、魔族と戦う貴族たち向けに書かれたものだろう。


 だとしたら、隷属魔法について書いてるところはないだろうか。

 その発動条件や、解除方法なんかが見つかればありがたい。


 そう思ってページをめくっていて、俺は手を止めた。


 そのページには挿絵が載っていた。

 人が豚に変身している途中の絵だ。


 俺はそのページに書かれた文字を読む。


「変化する、石……モーフジェムか。豚に変える力……持つジェム……これ、豚化のことだよな」


 俺は読める単語を拾っていく。


 書かれているジェムの特徴は、間違いなくハピネが俺の胸に埋め込んだモーフジェムと一致していた。


 もしかしたら、ハピネはこの本で豚化ジェムのことを知ったのかもしれない。


 ……なにか役に立つことが書いてあるかもしれない。


 俺はその本を持って一階に戻った。


 ベッドの下を掃除して、そこに本を隠しておくことにする。


 いつまでここに閉じ込められるのかはわからないけど、読めるだけ読んでおこう。


 そして数日後、俺はとんでもない事実を知った。


 俺の身体に埋め込まれたモーフジェムの効果は、ただの【豚化】ではなかったのだ。

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