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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
70/80

二章 五話 罪人輸送2

二章 五話目です。

累計PVが10000を超えることができました!!

小さなことかもしれませんが作者の私にとってはとても嬉しい事です。

これもいつも読んで頂いている皆様のおかげです、ありがとうございます。

これからも頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

それでは今話もよろしくお願いいたします。

¨零鉄みたいな無能は俺様にこき使われる()()でありゃあいいんだ¨


その言葉が映像から聞こえた瞬間、デムジから言葉が消える。

先程まであれだけ暴れていたデムジの体が小刻みに震え始める。

シルヴィアは映像を止めてガラス板状に変化していた道具を元の球体へと戻し、デムジにもう一度見せつける。


「この透明な道具は時間魔法を使うための魔道具だ。今の映像はこの魔道具を使ってレギルス学園内のとある場所の過去の出来事を呼び出し、録画保存したものだ。この場所が何処なのか、貴様には言わなくてもわかるよな?」


「あ・・・あぁぁ・・・」


デムジの口から声にならない恐怖と悲鳴が漏れる。

自分の犯した罪の確たる証拠を騎士団に掴まれている、それはすなわち・・・もう言い逃れは出来ないことを示していた。

騎士団に捕まってもまだ自分自身で選択できる道はあると、そうデムジは思っていた。

しかしそんなものはなかった、デムジがこれから進む道は既に決まっていた。選ぶことができる道など元々ありはしなかった。

¨奴隷扱い¨をしてしまった時点で、デムジの辿る未来は確定していた。


思い返してみれば、昨日夜遅くに騎士団がデムジを捕縛に来た時に最後まで庇ってくれていた両親の姿は、この牢馬車に入れられ街を出る時には見られなかった。

おそらく自分達の息子がどんな罪を犯したのか、騎士団から説明されたのだろう。その説明を受けて息子に失望したのか、犯罪者として王都に移送されるデムジを見たくなかったのか・・・理由は分からない。


そんなデムジが抱いていた僅かな希望・・・それが¨証拠さえなければ、まだ自分には生きる道がある¨というものだった。

しかし、その希望ももうない。後は自身が裁かれるのを待つことしか・・・殺されるのを待つことしか今のデムジには出来ない。


デムジが最後の希望を失って大人しくなり震え始めた時、一人の騎士がシルヴィアに近づき一枚の紙を渡して離れる。

シルヴィアはその紙を一通り読み終えると、軽く息を吐きだしデムジへと視線を戻す。


「今、私達より先に王都へと向かっていた騎士団団長から書状が届いた。罪人デムジ・・・貴様が犯した罪に対する判決が決定したそうだ」


「ッ!!」


「貴様への判決は・・・極刑で確定した。王都につき次第、貴様は処刑される」


「そんな・・・」


「王都まであと数時間・・・その間にしっかりと自身が犯した罪の重さを思い知れ!」


そう話すとシルヴィアはデムジに背を向け、他の騎士達と共に牢の傍から離れていく。

牢馬車から離れる直前にシルヴィアは最後にデムジに向けて一言話す。


「王都まであと数時間ある・・・その間は一人にしてやる。暴れたいのなら好きにしろ、謝罪をしたいなら好きにしろ・・・貴様の極刑が変わることはないがな」


ガシャン!という音と共に牢馬車に静けさが広がる


「嫌だ・・・」


デムジ一人となった空間に小さな声が響く。


「嫌だ!!嫌だ嫌だ嫌だ!!死にたくない!!死にたくない!!死にたくない!!俺が悪かった、もう二度と奴隷扱いなんてしない!!だから・・・頼む・・・助けてくれぇ!!」


今度は大きな声が響く、しかしもう全てが手遅れだった。



ーーーその後、デムジが王都にて処刑されたとの報告をアラン達が受けたのは暫く経ってからのことだった。



【読者様へのお願い】

面白かった!続きが早くみたい!

など思われた方は是非★での評価をお願い致します。

評価をしていただけると作者のモチベが上がります。


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