二章 二話 謝罪の真意
二章 二話目です。
新キャラ、フォルスの登場となります。このキャラは二章で結構な回数で登場する予定です。
それでは今話もよろしくお願いいたします。
クラスメイトの一人が気まずそうに話しかけてきた、デムジと一緒になってアランを馬鹿にしていた男子生徒・・・フォルスだ。
沈黙が続く教室でアランに声をかけたフォルスを他のクラスメイト達が見守る、フォルスと同じように気まずそうにしながら二人の会話に耳を傾ける。
「あ~・・・その、なんだ・・・今まで馬鹿にしてきて悪かったな」
アランに対し深々と頭を下げた後、フォルスの口から最初に出てきたのは謝罪の言葉だった。
頭を下げること数十秒後、顔を上げたフォルスはアランの目から視線を外すことなく言葉を続ける。
「俺は・・・アランが『零鉄』使いだという理由だけで今まで馬鹿にしてきた、『零鉄』が無能な鉱石なのだからその使用者であるお前も同様に無能なのだと信じて疑っていなかった、お前自身が無能であるという証拠も何もないってのにな」
「・・・・・」
フォルスから視線を外さずにアランは無言を貫く、フォルスの真意を確かめる為だ。
フォルスの言うようにアランは彼から毎日のように馬鹿にされてきた、物を投げつけられて怪我をしたこともあったし、人としての尊厳を傷つけられたこともある。
そんな人物がいきなり謝罪してきたからって、はいそうですか、と言って受け入れられるものではない。今まで受けてきた仕打ちからアランはフォルスを完全に信用できなくなっていた。
「今まで本当にすまなかった・・・謝って許させるなんて思っていない。でもーーー」
「ふざけないで!!」
フォルスの言葉が第三者の声によって掻き消される、声のする方へと教室内の全生徒の視線が向けられる。
そこには教室入口に立ってジッとフォルスを睨み付けるフレアがいた、そのままフレアは教室に入ってきてアランとフォルスの間に入りフォルスをアランから離す。
「アンタ、何?その軽い謝罪は・・・今までアランがどれだけ辛い思いをしてきたか分かってんの!?フォルスだけじゃない!!クラスの皆だってアランが強くなる為に必死で努力していたことを知っていたはず・・・そんな中貴方達は何か自分自身で努力をしてきた?なにもしてきてないでしょう?貴方達は¨『零鉄』は無能という世界の常識¨を掲げてなにも悪くないアランを馬鹿にしてきた・・・その行為は犯罪者と同じよ!!」
フォルスだけでなくクラスメイト全員に向けたフレアの言葉に誰一人として言い返すものはいない、只々俯き申し訳なさそうな顔をするだけのクラスメイトにフレアは言葉を続ける。
「フォルス、貴方が今アランに謝っている理由に謝罪の念が全くないとは言わない・・・でも貴方が謝る理由の大部分は、アランからの復讐が怖いからでしょ?!今まで散々、事あるごとにアランを馬鹿にしてきたから、当然力をつけたアランは自分に復讐しにくるって・・・」
「・・・フレア、もういい」
「でもアランッ!」
自分の前に立ちフォルスに怒りをぶつけるフレアを後ろに下げ、アランはもう一度フォルスと対面する。
フォルスはフレアの言葉がかなり堪えたようで泣きそうな顔をしていたが、それでもアランから目を離すことはなかった。
そんな彼に向けてアランは・・・
「フォルス、今のお前の謝罪を受け入れることは出来ない・・・」
そう話した。
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