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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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二章 一話 視線

二章 一話目です。

本話から二章のお話となります。

投稿ペースは一章の時と同じでゆっくりになると思いますが、よろしくお願いいたします。

それでは今話もよろしくお願いいたします。

家を出て走って学園へ向かう。

レギルス学園はアランが生活する場所から歩いて三十分程の所にある為、走って向かえば二十分もあれば到着する。

レギルス学園に入学して以来アランはいつも走って登校している、その理由は大きく分けて二つあった。

一つは単純に体力作りのため、そしてもう一つは・・・

 


「・・・はぁ~」


アランの口から大きな溜息が出る。

学園が近づくにつれ登校する他の生徒達も次第に多くなってきた、それに比例するようにアランに向けられる視線も増えていく。


(デムジに勝ったことで少しは収まるかもって期待してたんだけどな・・・)


二つ目の理由がこの視線だ。

アランは登校中にいつも嫌な視線を多くの生徒から向けられていた。

憐み、侮辱、同情・・・そういった負の感情がこもったような視線を毎日のように大勢から向けられていれば誰だって一刻も早くこの場所から去りたいと思うものだろう。


(しかし何故だろう・・・昨日まで感じていた視線とは何かが違うような・・・)


頭に浮かぶ疑問を隅に追いやり、走るスピードを速めてアランは学園へと急ぐ。

向けられる視線がいつもと違えども、アランにとってその視線が不愉快であることに変わりはない。


休むことなく走って十五分、レギルス学園の校舎が見えてきた。

学園に到着すると急いで靴を履き替えてアランは教室へと早歩きで向かう、その間にもアランには登校中に感じたのと同じ視線が向けられていた。


やはり今までとは何かが違う、昨日までは校舎に入ってしまえば嫌な視線はほとんど感じなかった。

しかし今日は校舎の中でも視線は向けられている、自意識過剰だと言われてしまえばそれまでなのかもしれないが・・・。

ふと視線を向けてくる生徒の顔をアランが見やるとその生徒は顔をそらす。そしてこちらを見ていた生徒はどこか気まずそうな雰囲気を醸し出しながらそそくさとアランから離れていく。


(ここまであからさまな対応をされると辛いけど、何かしら暴言を吐かれるよりはマシか・・・)


そう思いながら廊下を歩き、自分の教室の前へと到着する。

正面の扉の奥からクラスメイトの話す声が漏れてくる、とても楽しそうな声・・・入学してからアランへは(フレア以外)一度も向けられてこなかった声が聞こえてくる。

教室の扉の前で一度深呼吸をしてからアランはゆっくりと扉を開け中に入る、するとクラスメイトの視線が一斉にアランへと集中する。

アランが教室に入った途端、扉の外まで聞こえていた楽しそうな声は鳴りを潜め、重苦しい沈黙が教室を満たす。その視線から逃げるように教室内を軽く見渡す、どうやらまだフレアは登校してきていないようだ。


「・・・おはよう」


そう一言アランはクラスメイト達に小さな声で言うと自分の席へと向かう。


「・・・アラン」


「ん?」


自分の席に座ったアランに一人のクラスメイトが声をかけてきた。








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