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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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一章 六十四話 再開

六十四話目です。

最近仕事が忙しくなり、これから投稿日が乱れることが多くなりそうです。次の投稿は30日となる予定です。

申し訳ありませんがご了承ください。

それでは今話もよろしくお願いいたします。

ソフィアが父と話している間、アランは夢の中にいた。

白一色の世界にアランはポツンと立っている、それに何か違和感の様なものをアランは感じていた。


「ここは・・・確か・・・」


アランが辺りを見渡す。

ここが夢の中であるのは何となくだが分かる、何もない空間を見ていると何処か悲しくなってくるのはどうしてだろう?


ーーーこの場所をアランは何故か知っている気がした。

濃い靄が掛かった記憶を必死に頭から取り出す、蘇ってくる記憶はほとんどない中で一つの記憶が・・・とある光景が強くアランの感情を震わせる。


黒い少女が泣いていた。

白い世界にしゃがみ込んで大粒の涙で顔を歪ませ一人で泣いている、その口からはアランの名前が連呼されていた。


「この子は確か・・・」


少女の記憶を頭から必死になって取り出す、欠けていた彼女の情報(記憶)を搔き集め、やがて記憶は復元された。


「シズク・・・そうだ、シズクだ!」


シズクを思い出したことで連鎖的にこの白い世界のこともアランは思い出した。

魔熊と戦い大怪我をして倒れ、医者が手を上げる程の傷を癒してくれたこの場所のことを。

この場所で出会ったシズクが泣いている中、何も出来ずにこの場所から出てしまったことを。


「ッ!!・・・」


アランが周囲を急いで確認する。

しかし、視界に映るのは白い世界だけ。黒髪黒服だったカスミはたとえ遠くにいたとしても、この場所ではかなり目立つはず。

周囲にはシズクがいないことを確認してアランは走り出す。


「シズク!!いるのか?!」


声を張り上げて彼女の名前を呼ぶ、白い世界に声が響き反響する。

ある程度走っては止まり周囲を確認する行為を何度か繰り返す、しかしシズクの姿は見当たらない。

何もないこの場所で走っていると全く前に進んでいないような錯覚すら覚える。


「ハァ・・・ハァ・・・」


呼吸が乱れる、膝に手を付きゆっくりと体へ酸素を取り込む。

半ばあきらめかけたその時・・・


「・・・アラン」


「ッ!!」


後ろから聞こえた声にアランは振り向く、そこにはカスミが立っていた。

悲しそうな笑顔でこちらをみているカスミにアランは近づくと、声を掛ける。


「シズク・・・やっぱりまだここにいたんだな。良かった」


「えへへ・・・本当はアランの前に出てくるつもりはなかったんだけど、あんなに必死になって私を探すものだから我慢できずに出てきちゃった・・・」


そう苦笑交じりに話すシズクにアランも笑顔を返す。

見つけられて本当に良かったとアランは心から安堵する、これで彼女を連れて元の世界へと戻ることが出来る。

目の前にいるカスミに触れようとアランが手を差し伸べると・・・


「・・・アラン。申し訳ないけれど、このまま私を置いて元の世界に戻って?」


そう言ってシズクはアランの手を優しく払いのけた。


【読者様へのお願い】

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