一章 六十話 過保護の現れ
六十話目です。
決闘の話は一通り終わったので、投稿字数を少なくしたいと思います。一章での戦闘シーンはもうないですが、二章では多くなってくる予定です。
その時は決闘シーンの時と同じように一話ごとの字数を増やして投稿をしていきますのでよろしくお願いいたします。
それでは今話もよろしくお願いいたします。
フレアと別れたソフィアは、その足でこれから自分が暮らすことになるライフィール領事館前へとやって来ていた。
入口の警備員に話を通し、見知った人物を呼び出す。
「お帰りなさいませ、ソフィア姫」
執事姿の老男が深々と頭を下げ、ソフィアを領事館敷地内へと迎え入れる。
「出迎えご苦労様、ジル。・・・ごめんなさいね、私が急に留学するなんて言い出したものだから貴方には色々と面倒を押し付ける形となってしまって」
「ほっほっほ・・・いやいや、滅相もない。姫の傍仕えは私が好きでやらせていただいていること、どうか気になさらないでください」
そう言ってジルは笑顔を見せる。
そんな執事に再度お礼を言ってソフィアはジルと共にある場所を目指す、ソフィアが今日から住む屋敷だ。
その道中で出会う領事館職員一人一人に挨拶をしながら歩くこと数分、屋敷がその姿を現した。ソフィアが留学する為だけに新調された屋敷は最早小さな城と大した差はなかった、屋敷の周囲は高い壁で囲われており警備員がこれでもかと配置されている。
そんな我が家となる屋敷の様子を見て、ソフィアは頭を抱える。
「もう・・・お父様ったら・・・」
自分を心配してくれる父にはいつも感謝しているが、流石にこれはやり過ぎだ。こんな家じゃ気を休める事も出来ない。
「・・・ジル、屋敷の警備状況を少し変えたいのだけど・・・」
「承知いたしました。直ちに姫様の生活しやすい警備体制に変更致します」
ソフィアがそうお願いすると、ジルは直ぐに動いた。
ジルはソフィアの傍付きであるのと同時に、この屋敷の管理を一挙に担う人物でもある。
この屋敷のことは主であるソフィア以上に熟知している老男は警備の人に指示を出し物凄い速さで警備体制を変えさせた。
◇
「姫様、国王様が屋敷に着いたら連絡を・・・とのことです」
屋敷に入ったソフィアにジルが声をかける。
「それは丁度良かった・・・私からもお父様には色々とお話がありますからね」
自室へと入ったソフィアはジルと何人かのメイドを退室させると、懐にしまっていた宝石を取り出しテーブルへと置く。
ライフィール王室の家紋である大樹と花が刻印されたその宝石に触れ、ソフィアは魔法を流す。
すると宝石から光が漏れ始め空中に大きな光の枠が浮かび上がった、その枠の中が徐々に鏡の様に変化しソフィアの顔が映し出される。
「共鳴」
映し出されたソフィアの顔が変化し、一人の男性へと変化していく、ソフィアと同じ蒼髪で頭に王冠をのせた男性。
「お久しぶりです。お父様」
「・・・・・」
映し出されたのはライフィール国王だった。
◇
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