一章 六話 仕組まれた決闘
六話目です。
よろしくお願いいたします。
誤字・脱語報告をして頂いた方、ありがとうございました。
デムジが『決闘』を挑んできた。
あまりにも突然すぎてアランとフレアは言葉もでない。
「『決闘』のことぐらい知ってるよなぁアラン!」
デムジがニヤリと笑いながらアランに話す。
『決闘』はレギルス学園の独自のシステムだ。
学園生徒は、生徒同士や生徒と教師の間で問題が起きた場合、『決闘』によって解決を図ることができる。
レギルス学園には入学試験や金銭は一切必要がなくファーネリア王国市民なら誰でも無条件で入学でき、鉱石魔法や鉱石武具を使った戦い方を学ぶことができるが、その分生徒同士の年齢差が大きくなることも少なくない。
基本的には近い年齢同士で学園がクラスを分けてはくれるが、それでも同級生が4~5歳年齢が離れているのがこの学園では普通だ。
そんな中で生徒同士の問題が起きれば、年齢の格差で片方が優位になったりする可能性がある。
『決闘』はそれを防ぎ、両者対等で問題を解決するシステムだ。
『決闘』を行うにはいくつかの条件がある。
・お互いに何かを賭けて行う(賭けるものは互いに了承済であれば何でも良い)
・『決闘』は一対一で行い、戦闘行為を行う場合は自身のもつ鉱石武具と魔法のみ使用できる
・決闘場所を決める
・当日の『決闘』はできず、必ず準備期間を二週間用意する
・勝敗が決した場合『決闘』前に互いに賭けたものは絶対遵守しなければならず、破れば即退学となる
・『決闘』を申し込まれた場合、できる限り受けなければならない
・『決闘』は各生徒一年に一回までとする(互いにこの条件を満たす必要がある)
上記のことを学園側に申請をしなければならない
「俺様がおまえと戦って勝ったら今日の俺の奴隷発言をなかったことにしてもらう!」
デムジが顔を歪めてそう言った
デムジとアランの戦闘では魔法が使えないアランが圧倒的に不利だ。今のままでは絶対に勝てない。
それが分かったうえでデムジは『決闘』を申し込んできたのだ。奴隷扱いしたことも初めから『決闘』を使ってもみ消す上での行動だったわけだ。
しかしアレンがそれに今さら気づいてももう遅い。『決闘』を申し込まれた以上、できる限り受けなければならないからだ。仕方なくアレンは自分が『決闘』に賭けるものをデムジに伝えるしかなかった。
「なら俺が勝ったら奴隷扱いされたことを騎士団に報告した上で、フレアがお前を殺しそうになったことをなかったことにしてもらう!」
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