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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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一章 五十一話 カスミとソフィア 2

五十一話目です。

ついに次話からアランとデムジの『決闘』に入ります。ただ二人の戦いはゆっくりと長めに書いていきたいので、もしかしたら二日ごとの投稿が乱れる可能性がありますのでご了承ください。

それでは今話もよろしくお願いいたします。

資料を読み始めたソフィアは読み進めるごとに顔をこわばらせていく、資料を読み終わったソフィアは恐る恐るカスミに確認する。


「この資料の内容・・・間違いはないんですか?にわかには信じられないのですが・・・」


「ええ、少なくとも私はアランがその資料に書かれている通り炎魔法を取り込んで炎の鎧を身に纏うのをしっかりとこの目で見ました」


「そうですか・・・もしこれが本当なら・・・やっぱりこちらに来て正解でしたね」


そうつぶやくとソフィアは黙り込み何かを考える素振りをする、そこでカスミはとある疑問を抱いたのでソフィアに確認してみる。


「そういえば、どうしてソフィアはファーネリア王国にきたの?ライフィールの王女である貴方が他国の姫のお願いとはいえ、それだけで国を出国する許可が下りるとは思えないし・・・」


ソフィアの本名はソフィア・アスク・ライフィール。

ライフィール王国の第二王女であり彼女の使う治癒魔法の腕はアイフォウル大陸一と言われている。

幼いころは戦闘もかなり強かったらしいが、現在は戦闘行為等には参加せずに刻印石の研究に力を注いているらしい。カスミもその噂を聞き付け今回『零鉄』のことを調べて貰っていた。


「それはもちろん、『零鉄』について調べる為ですよ?なにも情報はないライフィールにいるより、この国に来れば『零鉄』使いのアラン君をすぐ近くで観察できますから。それに以前から他の国に行ってみたいと私は思っていましたから、カスミ姫のお願いは一石二鳥だと思ったのです。なので留学・・・という形でこの国にまいりました。お父様にはかなり反対されましたが、頑張って説得しましたわ」


なんて行動力だ。

ライフィール国王は娘に対して超がつく過保護な男として有名だ、娘の留学など許可する訳がない。

そんな父親を説得し、ソフィアが留学の許可を取るのは生半可なことではなかったはずだ。恐らく何かしらの条件を付けられた上での許可であろうとカスミは悟った。


カスミは詳しい話を彼女に聞きたかったがこれは他国の、それも王族の間の家族問題だ。同じ王女であるとしても迂闊に入っていける話ではない。


「そうだったの・・・それで?この国に留学するにしても、貴方は何処に住むつもりなの?あと、留学する学園も教えてくれる?他国の王女を留学されるんだから警備を強化しないといけないし」


「住む場所はライフィールの領事館敷地内に建設される屋敷で、通う学園はレギルス学園です。詳しいことはファーネリア国王にお父様から既に書簡が届いていると思いますわ」


まぁ彼女が既にここに居るのだ、過保護のライフィール国王が既に手を打って留学手続きや住居の確保はしてるのだろう。カスミは後で父親にソフィアがこの国にいる間、厳重な警護を頼むと決めた。


ソフィアの留学への対応はとりあえずこれで良いとして、話を戻そう。

ソフィアが留学してきた理由は『零鉄』の調査をする為・・・ならば、とカスミはある情報を彼女に話始める。


「貴方の留学の件は分かりました。話を戻しますが、貴方が暫くこの国に居るのなら『零鉄』の調査に丁度いい催しが明日ありますよ?」


「催し、ですか?」


「ええ、明日の朝八時からレギルス学園の闘技場でアランが他の生徒と一対一で戦うんです。観戦も学園生徒なら自由に出来るみたいなので、見に行ってみたらどう?」


カスミは知っている、明日『決闘』をするアランは完全にアウェーで戦うことになるだろうと。

自身への罵声や誹謗中傷が飛び交う中でアランは持てる力の全てを出して相手と戦うはず、その姿をカスミはソフィアに見て欲しかった。


ソフィアが思っている以上に『零鉄』使いのアランへの風当たりは厳しい、その中でも前を向いて懸命に戦うアランを近くで見てアランの手助けをしてあげて欲しかった・・・それが、今のソフィア自身の為にもきっと必要なことなのだろうと信じて。


「・・・アランの戦いはきっと今の貴方が前に進めるきっかけにもなるでしょうから」


「・・・分かりました。見に行ってみます」


そこで今日の話はお開きになり、ソフィアは孤児院を後にした。




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