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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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一章 五十話 カスミとソフィア

五十話目です。

今話も長くなってしまったので一旦区切ります。

それでは今話もよろしくお願いいたします。

少女を連れて孤児院に入ったアランはとある部屋の前にやってきた。

入口の扉をノックして中にいるであろう母に声を掛ける。


「母さん、ちょっといい?孤児院に来たお客さんを連れて来たんだけど」


「お客さん?・・・どうぞ入ってもらって」


母の了承を得て少女と共にアランは中に入る、この部屋は応接間兼母カスミの仕事場となっていてかなり広く造られている。カスミは扉の正面に立って入ってくる二人を迎え入れたのだが、アランに連れられて入ってきた来訪客を見て思わず声を出す。


「え!?・・・も、もしかして・・・そ、ソフィアちゃん!?」


「お久しぶりです、五年ぶりですね。カスミひ・・・カスミさん」


「ええ、本当に久しぶりねぇ~。お客さんってあなたの事だったのね」


(やはりこの少女・・・ソフィアさん?は母さんの知り合いだったみたいだな)


二人は久しぶりの再会を喜び、立ったままで話を始める。

二人の話を聞く限りどうやら五年ぶりの再会みたいだ。積もる話もあるだろうと気を利かせてアランは部屋を出ることにする。


「じゃあ母さん、俺はこれで退出するよ。お客さんのこと頼んでもいい?」


「ええ。ソフィアちゃんの案内ありがとね、アラン」


「私からもお礼を。ここまで連れてきて頂いてありがとうございました」


お礼をしてくるソフィアにアランは「ごゆっくりどうぞ」と返答し部屋を後にする。

急な来客で特訓が中断されたが幸いまだ体は冷めきってはいない、ソフィアと出会う前にしようとしていた軽いランニングくらいならしても問題はないだろう。

孤児院から出たアランはそのまま街へと走っていった。



アランが退出するとカスミとソフィアはソファーに腰かけて紅茶で一息すると再び話を始める。


「改めて久しぶりねソフィアちゃん、凄く綺麗になっていて一瞬誰か分からなかったわ」


「私は出会って直ぐに貴方だと分かりましたよ?カスミひ・・・カスミさんがファーネリアに帰られてからもう五年も経つのにその時と全く変わらず美人でしたから」


「無理に呼び方を変えなくても大丈夫よ、この部屋には私達しかいないから。あ、もちろん他の人の前ではカスミさん呼びでお願いね」


「・・・分かりました、ではこの場では以前と同じくカスミ姫と呼ばせていただきますわ」


「ええ・・・それで突然の来訪だったけど、理由はやっぱり私がお願いしていた・・・」


「はい。以前から手紙で相談を受けていた『零鉄』の件についてです」


実はカスミはアランが魔熊と戦ったと聞いてから密かにソフィアと文通をしていた。魔熊にアランが一人で挑み勝った・・・それはカスミも認めている、けど問題は()()()()()()()()()()()ことだ。魔熊は本来多くの騎士などの猛者を集めてなんとか倒せるレベルの魔物、それを一人の『零鉄』使いが倒してしまった現実は言い換えれば多くの猛者よりアラン一人の方が強いということになる。


だがその『零鉄』については未だに謎が多い、むしろ謎しかない存在だ。

脆く属性魔法を使えないと無能の烙印を押された『零鉄』を研究する学者は勿論おらず、その刻印石を持つのは現状アランだけ。アランのこれから先の未来の為にも、母親としてカスミはアランの力の正体を知っておきたかった。


そこでカスミが頼んだのがソフィアだった、彼女はまだ十六歳という若さながら刻印石の研究の第一人者だ。以前ライフィールに留学していた頃に出会い仲良くなった彼女なら『零鉄』について何かを掴めるかもしれないと調べて貰っていた。



「カスミ姫のお願いで『零鉄』について色々と調べましたが・・・詳しいことは残念ながら分かりませんでした。分かったことは世界的に知られている特性が間違いないということぐらいでした。なにせ資料が全くないですからね・・・」


そう申し訳なさそうに話すソフィアの前にカスミは数枚の紙を差し出す。


「これは?」


「『零鉄』の刻印石の持ち主・・・アランが魔熊と戦った時の資料です。本当は手紙で貴方の元へ送ろうと思っていたのですが、こうして会うことが出来たので渡しますね」


「あ、アランって・・・さっき私をここまで連れて来てくれた男の子ですよね。あの子が『零鉄』の・・・と、とりあえずこの資料拝見させていただきますわ」






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