一章 五話 絶交回避と決闘
五話目です。
よろしくお願いいたします。
アランが絶交すると告げるとフレアの動きが止まった。
フレアと絶交するつもりは全くなかったが、今はフレアを止めることが最優先だ。
悲しそうな表情でこちらをみているフレアにアレンは諭すように言う
「・・・俺のために怒ってくれるのは嬉しいよ・・・でもそのせいでフレアが人殺しになるのは絶対に違う。そんなことになったら俺は絶対後悔する・・・だからこれ以上するなら絶交だ」
「で・・・でもデムジはアランを奴隷って・・・だから私は・・・」
アランの絶交という言葉にフレアは動揺しているようだ。火柱も動揺で少し小さくなっている。
アランはフレアに近づき頭を撫でながら言葉を続ける
「・・・もう充分だ、俺の代わりに怒ってくれてありがとうな。」
アランはフレアに感謝が伝わるようにやさしく頭を撫で続ける。
「・・・殺すの止めたら絶交しない?」
「もちろんだ・・・俺も数少ない友達を失いたくないしな」
「・・・じゃあやめるわ」
しばらくフレアの頭を撫で続けていると火柱はだんだんと小さくなり消滅した。手に持っていたレイピアも消えさる。
なんとかフレアの怒りを収めることができたようだ。本当に良かった。
だがしかし、フレアの怒りが収まっても根本的な解決にはなっていない。デムジのことだ
フレアの頭を撫でていた手をおろし、アランはデムジと向き合うとデムジは顔を真っ赤にしてアランを睨みつけていた。
「アランてめぇ!・・・よくもフレアを使って俺様を殺そうとしやがったな!絶対に許さねえ!殺してやる!」
先程まで戦意喪失していたのに、フレアの火柱が消えると怒鳴り始めた。
そもそもの発端が自分であるというのに反省のいろがまるで見えない。
デムジのなかでは自分を中心に世界が廻っているんだろう。本当に救いようがない。
「この場所を時間魔法で調べれば今回のことは全て丸わかりだ・・・他人を奴隷扱いしてしまった時点でお前はもう終わってるんだよデムジ」
時間魔法とは簡単にいえば過去をみる魔法だ。
過去をみるといっても一カ月前までくらいが限度で、魔道具を買えば誰でも使えるものであり、おもに騎士団や被害者が犯罪者の証拠収集に使っている。
つまり、アランが奴隷扱いされたことを騎士団に話せば時間魔法を使われて今回の騒動は丸わかりなわけだ。
フレアもデムジを殺そうとしているが、その原因はデムジの奴隷扱いが原因であるため、罪には問われないだろう。あったとしても注意喚起くらいで済む。
このファーネリア王国ではそれほどまでに奴隷に厳しいのである。
しかし、デムジはそんな中でも態度を変えずにニヤリと不気味に笑うととんでもないことを口にした。
「アラン!・・・・・俺様と『決闘』しろ!」
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