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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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一章 四十四話  壁を乗り越える為には

四十四話目です。

あと二、三話でデムジが再登場する予定です。え?・・・デムジって誰だって?序盤の序盤にでで来るので読み直してみよう!(作者自身、デムジの設定について忘れかけているところがあります)

それでは今話もよろしくお願いいたします。

力になれるかもしれないと言って、クライブはアランを騎士団詰所へと連れて来た。早朝の詰所には二人程しか騎士がおらず閑散としている。

クライブは詰所の奥にある修練場にアランを連れて来ると、常備されている木刀をアランに投げ渡す。


「く、クライブ団長?」


「・・・君が何を焦っているのかは私には分からない。だが、私の予想だと君は強くなりたいのではないかな?どんな理由があって君が強さを求めるのかは敢えて今は聞かない、男女問わず誰だって強くなりたいという欲求は持つものだ。そして強さを求めて努力をすれば誰もが必ず壁にぶち当たる」


クライブは話ながらアランに渡したのと同じ木刀を構える。


「本来ならばぶつかった壁は一人で乗り越えるのが一般的だ、そのほうが自身の成長に確実に繋がるからね。でも、立ちふさがる壁を必ず乗り越えないといけないわけではない。時には壁を超えずに回り込むことも必要だし、他者の力を借りることも必要だ。」


「・・・クライブ団長の言っていることは分かっているつもりです。貴方の言うとおり俺は強くなりたい。そして今、俺が感じている焦りは壁のようなモノであるのかもしれません。その壁を避けて通る選択肢があることも理解しています。だけど、この壁を俺は自分の力で・・・なっ!?」


アランが話をしている途中でクライブが手に持つ木刀で斬りかかってきた、それこそアランを殺すような勢いで。アランは自分に迫る木刀を何とか躱し、クライブから距離を取る。


「い、いきなりなにを!?・・・」


「どうした?なにを惚けているんだ?早く構えたまえ、一人で強くなりたいのだろう?なら、私がそれに協力してあげよう。一応私はこの国の騎士達を纏め、頂点に立つ騎士団長だ。君が強くなる為には最適な相手だろう?本調子ではないが君の相手ぐらいどうということはない・・・・・それとな――」


クライブが再び木刀を振るった。先程よりも早く、殺意を込めて。

アランはその攻撃を紙一重で躱し距離を更に取って木刀を構え直すが、クライブは一瞬でその距離を縮めアランの喉元に木刀を突きつける。


「・・・君は一つ大きな勘違いをしている。先程私が言い、君が分かっていると口にした「壁は一人で乗り越える」は意味が全く違う。壁を乗り越える為に自分の力が必要なのは、乗り越える()だけだ。乗り越える為の努力まで、一人で行う必要は全くない。むしろ一人で努力しているほうが、君の成長を阻害しかねない」


「・・・・・」


「君はもっと周囲に頼ってもいいんだ。自分の力だけで全てが何とかできると思っていることが間違いなんだよ。誰だって他者の力を借りて成長し、強くなっていくんだ。私も、君も、フレアちゃんだってね。」


アランはクライブの話を聞いて何処か抱いていた焦りが消えたように感じた、クライブの言葉通りだ。一人で全てが上手くできる奴はいない、「誰だって他者の力を借りることで成長できる」それこそが強くなる為にアランが一番大切にしなければならない事だった。


「・・・ありがとうございますクライブ団長、少し気が楽になりました。改めて、俺が強くなる為に力を貸してください、お願いします!」


「もちろんだ。ただし、やるからには手は抜かない・・・気を抜くと大怪我してまた病院送りだよ!」


「はい!」


こうして始まったアランとクライブの特訓?はフレアとの約束の時間ギリギリまで続いた。





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