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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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一章 四十三話 焦り

四十三話目です。

お話の中だと『決闘』まであと三日ですが、決闘当日までは、まだ話数がかかります。

それでは今話もよろしくお願いいたします。

フレアとのデートの翌日、アランは早朝から特訓を開始していた。

『決闘』まであと三日。もう残された時間は少ない中で、アランは自身がデムジに勝つために何が必要なのかを退院してからずっと考えてきた。

しかし、これだ!というものは未だ見つけらずにいた。分かっているのはデムジが必ず炎魔法を使って攻撃をしてくるであろうということぐらいだ。

炎魔法の攻撃なら『零鉄』で取り込み自身の力に変えればいいが、それだけで勝てるとは思えなかった。デムジはアランのような弱者を見下し馬鹿にはしているが、実力だけを見れば学園内でもトップクラスだ。今のアランが以前よりも強くなったとはいえ、楽観視できる相手ではない。


「ハァ・・・ハァ・・・」


今アランは一人で街の中を走っていた。早朝の街の中はとても静かで、アランの呼吸する音だけが辺りに響いている。


(デムジに勝つにはどうしたらいい・・・俺は何をすれば、どんな特訓をすればあいつに確実に勝つことができる力を手にすることができるんだ・・・)


『決闘』の日時が迫るごとにアランの焦りは大きくなっていた。

本当なら今日は朝は体を休めて昼ごろからフレアと特訓を始める約束だったのだが、今のままで『決闘』に勝てるかが心配で昼ごろまでおとなしく待っていられなかったのだ。早朝に家を出たアランは、とりあえず走り込みだけでもしようと街の中を走っていた。


(・・・ん?)


アランが走る前方から誰かが近づいてくる。どうやらアランの他にもこの時間に起きて活動している人がいたようだ。


「え?・・・く、クライブ団長!?」


「ん?あ・・・ああ、アラン君か・・・」


近づいてくる人物はアランのよく知る人物、クライブだった。


「やあアラン君、おはよう。こんな早朝に会うなんて思わなかったな」


「・・・おはようございます。団長さんも走り込みですか?」


「いや、暫く病院生活だったからね・・・体力が少し落ちてしまっているみたいだから、仕事前に少しでも体を慣らそうかと思ってね。といっても朝から無理に体を動かしても逆効果だから、走ったりはせずに散歩程度に抑えているよ」


「え!?朝からの運動ってあまりいいことではないんですか!?」


「ああ、朝は目が覚めても体は半分寝ているような状態だからね。無理して運動しても、体が追いついて行かないから身につかないし怪我をする危険があるんだよ」


「そう、だったんですか・・・」


そう言って顔を曇らせるアランを見てクライブは心配になる。なにせ先日国王からアランの話を聞いたばかりで、今も街を歩きながらそのことを考えていたのだから。

クライブがアランを観察すると、どこが焦っているように見える。額には大粒の汗が見て取れることから、早朝から街の中を走っていたのだろう。


(何かがあったのは間違いないな・・・国王様やカスミ殿にもアラン君の事は頼まれているし、少し話を聞いてみるか)


「アラン君。何かあったみたいだけど、よければ話してもらえないか?私にも力になれることがあるかもしれないしね」


クライブはそう言ってアランに話しかけた。


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