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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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一章 四十一話 閑話 緘口令の内容

四十一話目です。

今話で閑話は一旦終了となります。

それでは今話もよろしくお願いいたします。

「・・・アラン君と魔物の件、ですか・・・」


「そうだ、部下やカスミの話によると、シレミの森で魔熊と戦ったであろうアランを最初に発見したのはお主だと聞いてな。緘口令を敷く事とその時の森の様子も併せて聞きたかったのだ」


「それともう一つ、あの森で魔物・・・魔熊に喰われていたのが、本当にスピタリアの騎士達だったのかということです。息子の話を疑いたくはありませんが、今のところ何の証拠もないですからね・・・」


「・・・分かりました。では順を追って説明していきましょう」


クライブは自身の経験したことを話していく。その話を聞いている二人の顔は徐々に険しく、暗くなっていく。



「以上がアラン君、いや・・・アラン殿を森で見つけた時の話となります。その後に他の騎士たちと合流後、私は意識を失い、目覚めたときにはアラン殿と同じ病院の中でした」


「う~む・・・現場にスピタリア騎士団の鎧があったという証拠がある以上、やはり彼らが喰われたのは間違いないか・・・」


国王が顎に手を当て動きを止め思考をしている中、カスミがクライブに話かける。


「クライブ殿、アランに対して無理に敬語を使う必要はありませんよ?今まで通りに呼んで上げてください。アランは私とケインの養子なので貴殿が気を使う必要はありません。本人は私が王族であることすら知りませんし、貴殿に急にそんな対応をされたら驚くでしょうから」


「・・・分かりました。今まで通り、アラン君と呼ばせて頂きます」


「そうして上げてください。私との血の繋がりはありませんが、かけがえのない私の自慢の息子です。あの子の悲しむ顔は見たくないですから」


暗かった表情を笑顔に変えてそう話すカスミを見てクライブは心底ホッとした。風の噂で聞いた話だが、孤児院から引き取られた養子と里親の間で揉め事が起き、養子が再び捨てられ、孤児に戻ってしまう事はかなり起こるらしい。そうなった子供は心を閉ざし、自暴自棄になってしまうことも珍しくないそうだ。

だが、アランはその心配は微塵もないだろう。アランの事を笑顔で話すカスミを見てそれが確信できた。この先カスミが自身が王族であるとアランに話す時が来たとしても、この家族の関係に亀裂が入ることは考えられなかった。


「しかし・・・騎士団団長の話で、ワシの予想していたことがいよいよ現実味を帯びてきたな・・・」


「ええ・・・もしお父様の考えが正しいのなら、アランにとってそれが吉と出るか凶と出るか・・・どちらにしても、今はまだ様子を見るしかありませんね」


国王とその娘の二人は顔を見合わせ頷くと、国王バーディは威厳のある声でクライブに話しはじめた。


「・・・騎士団団長、クライブ・シュバルツ卿、これより緘口令を敷く情報を話す、心して聞け。」


「・・・はッ!!!」


ーーーこの時、国王バーディから話された事を、クライブは生涯誰にも話さないと誓った。緘口令を国王が敷いたからという理由ではなく、アランの為、自分の為、家族の為、国の為・・・世界の為に、この情報は決して公開してはならないものだったのだから。



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