一章 三十一話 朝の病室にて
三十一話目です。
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それでは今話もよろしくお願いいたします。
アランはフレアの頭を撫で続けていた。撫で始めてどれくらいたっただろうか?気が付けば窓の外は段々と明るくなり始めている。そろそろ街の人たちが起床して外から活気のある声が響き始めるだろうが、今の病室の窓から聞こえてくるのは小鳥の声だけだ。
「ん・・・」
アランが撫でていたフレアの頭がぴくりと動く。どうやら目を覚ましたようだ。アランはフレアの頭から手を引いてベットに戻る。
「ふあぁ~~~」
フレアが大きな欠伸をしながら体を伸ばす。元々がかなりの美少女のため、欠伸をしている姿でさえ絵になってみえる。だがまだかなり眠そうだ。
実はフレアは朝にとても弱い。朝起きてから一時間程はいつもぼ~っとしていることが多く、誰かに起こしてもらわないと、そのまま二度寝をしてしまうこともある程だ。普段のフレアを知っている者ならにわかには信じられないだろう。まぁこれを知っているのはフレアの家族とアランくらいなものなので、日常生活になんら問題はない。
そんなフレアだが、やはりまだ完全に眠気は覚めていないようで目を擦りながらぼ~っとしている。
「おはよう、フレア」
「・・・え?・・・」
アランがフレア話しかけると、ゆっくりとこちらに顔を向ける。眠そうな目がアランを捉えるとぼ~っとしたまま凝視してくる。窓から入ってくる朝日がまぶしいのか目を細めて見つめてくるため、怒っているように見えてちょっと怖い。
「アラン・・・?」
「あ、ああ・・・おはよう」
「おはようアラン・・・・・アランッ!?」
アランの声を聞いて眠気が覚めたのか、かっと目を見開き両肩を掴んで押し倒してくる。
「アラン!!目が覚めたのね!!怪我は大丈夫?!痛くない?!」
よっぽど心配だったのか矢継ぎ早に聞いてくる。
「痛かったらすぐに言って?今すぐにお医者さん連れてくるから!」
「落ち着けって!体の痛みは今のところは無いから安心してくれ、ただフレアに掴まれている両肩は少し痛いかな」
「あっ・・・ごっごめんなさいっ!でも本当に大丈夫なの?お医者さんの話だとかなり危険な状態だったらしいけど・・・」
フレアが顔を真っ赤にして慌てて離れる、自分がアランを押し倒している事に気づいたようだ。
アランから離れた後も顔を赤くしながら心配そうに声を掛けてくる。
「俺ってそんなにヤバい状態だったのか?」
「ええ・・・手術は成功したけどいつ目覚めるのかはお医者さんにも分からないって言われて・・・もしかしたらこのまま意識が戻らないかもって言われたときは私、気がどうにかなっちゃいそうだったんだから!」
「・・・ごめんフレア、心配かけたな・・・」
「ううん、いいの。こうして目を覚ましてくれたんだから。そのままベットでジッとしてて?お医者さんを呼んでくるわ」
「ちょ・・・フレア?!」
そう言って病室から飛び出していったフレアの顔には涙が見えていた。また泣かせてしまったようでアランは申し訳なく思った。
(やっぱり凄い心配させていたんだな・・・時間を見つけてフレアにはきちんと謝罪しよう)
アランは心の中でそう固く誓った。
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