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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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一章 二十八話 白い世界と黒の少女

二十八話目です。

今話は約九話ぶりにアランがメインのお話です。

それでは今話もよろしくお願いいたします。


「・・・んぅ?」


アランが目を覚ますと辺りは真っ白だった。

木も、草も、建物等の建造物も、何一つ存在しない白で染まった大地だけがアランの眼前に広がっている。


(ここは一体何処だ?なんでこんな場所に俺はいるんだ?・・・たしか俺は、シレミの森で魔熊と戦って・・・)


「グッ!!!」


アランの腹部に激痛が走る、痛みで立っていることすらできない。腹部を押さえてその場にうずくまる。


(そうだった、魔熊との戦いで右腹部を・・・ヤバイ、また意識が遠のいて・・・)


意識が再び落ちていく中、アランは必死に堪えていた。何故かは分からないが直観で、今意識を失えば二度と起きれないと感じていたためだ。だがそんなアランの頑張りも虚しく、意識は途切れていく。


「・・・イメージして」


「え?」


アランが意識を保つのが限界に近くなった時、後ろから声がした。


声の主は少女だった。アランと同じく黒目の少女は、黒い長髪を頭の後ろで結びポニーテールにしており、真っ黒のドレスを着ていた。白一色のこの場所に突如として現れた黒ずくめの少女は凄く映えていて、そして異質に見えた。


「お腹の痛みを感じないようにイメージをしてみて?そうすればそれは現実になる」


「な・・・にを・・・」


「早くしたほうがいいよ?そのまま意識を失ったらあなたは死んじゃうから」


「・・・・・」


アランは微笑みながらそう話す少女の言うとおりにイメージしてみる。

すると先程まで感じていた激痛はあっさりと消え去った。アランが痛みの消えた腹部を確認すると、未だに赤黒く染まっていた。どうやら怪我が治っているわけではないらしい。ただ痛みが消えただけのようだ。


「怪我が治るとイメージすれば、怪我自体も治るよ?」


「・・・・・」


アランが少女の言うとおりに怪我の完治をイメージすると、これもまたあっさりと赤黒かった腹部が元の色に戻る。

少し体を動かしてみるが、異常は何処にも感じない。本当に完治しているようだ。


「ね?治ったでしょ?」


「ああ・・・ありがとう、おかげで助かったよ」


「うん♪」


少女が笑って頷く。それにしてもこの子は一体何者なんだろう?あとこの場所もだ、白一色の場所なんて聞いたこともない。空まで白色のこの場所居続けると、なんだかおかしくなりそうだ。


「ねえ君・・・この場所は一体何なのか知っているかい?」


「・・・むぅ」


アランが少女に問うと少女は頬を膨らませて怒り出した、そんな仕草一つとっても可愛い子だ。


「君じゃないよ・・・私はシズクっていうの、よろしくね♪」


少女はシズクと名乗るとニコっと笑い、アランに手を伸ばしてきた。









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