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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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一章 十九話 『零鉄』の力

十九話目です。

次話から新キャラが登場するかもしれません。

それでは今話もよろしくお願いいたします。

刀が炎を纏う。

その炎は刀だけでなくアランの腕足をも飲み込み、全身を覆っていく。体全体が炎に覆われたアランはまるで対峙している魔熊と似たような状態だが、根本的に違う点がある。炎の色が蒼いのだ。

蒼いだけじゃない。魔熊が纏っている炎は炎弾をそのまま纏ったようなものに対して、アランの炎は鎧の形状に変化していた。蒼い鎧の背からは、大きな蒼炎の羽根が一枚伸びて風に靡いている。


「グルルルル・・・・・」


魔熊がアラン睨み威嚇音をたてる。そんな魔熊に向かってアランが表情を変えることなくゆっくりと歩を進めていく。そんなアラン目掛けて魔熊が再度炎弾を放ち始めた。

アランが魔熊に近づくにつれ炎弾攻撃は激しくなるが、その攻撃をアランはそのまま全て受けていた。

今のアランに炎弾のダメージはない。アランに命中する全ての炎弾は魔力として蒼い鎧が取り込んでいた。取り込んだ魔力は背中の羽根へと送られ、その羽根の数を増やしていく。

両者の距離がある程度縮まると、魔熊は炎弾攻撃をやめて、長い爪に炎を纏わせた。今のアランに炎弾は効果がないと理解したのだろう。そのままアランに向かって突撃してくる。

だがその考えは間違いだった。アランは自身向けて振るわれた炎爪を赤白い刀で()()()()()

それと同時に魔熊の爪が纏っていた炎が蒼い鎧に吸収される。ただの爪となった魔熊の爪をアランはその腕ごと切り落とした。


「ギヤァァァァァァ!!!」


赤黒い血が噴き出す右腕を押さえて魔熊が悲鳴を上げて藻掻く、その顔面をアランは力一杯殴りつけた。


「・・・ガウッ!!!」


殴り飛ばされた魔熊が突如背を向けて走り出す、今のアラン相手では分が悪いと判断したのだろう。そんな魔熊を追うことなく、アランが再び正眼に刀を構えて逃げ去る魔熊を見つめて言葉を紡ぐ。


「・・・炎魔開放 (リリースフレイム) 前方照射(バーストカノン)


アランの背中の羽根が数枚消え去り、魔力が刀に集まる。

赤白く光る刀が鎧と同じ蒼色へと変わり輝きだす、日も暮れて真っ暗な森が昼間のように明るくなった。

その刀をアランは逃げる魔熊に向け振るった。

刹那・・・辺りは蒼一色に染まる。魔熊諸共刀から出た蒼炎で、森の一部が消滅する。

魔熊は断末魔を響かせることなく森の一部と共に消滅した。

蒼炎はしばらくすると消え去り森に静寂が戻る。


「・・・勝った・・・のか?・・・」


その言葉と共に両足の力が抜け、アランは倒れた。その拍子で握りしめていた刀から手が離れると刀は元の黒刀へと戻り、鎧も消え去った。


「・・・ゴフッ!!!」


口から大量に吐血する。


(くそぉ・・・体がもう・・・全く動かない・・・)


そんなことを思いながら、アランの意識は落ちていった。



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