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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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一章 十七話 声とアラン

十七話目です。

前話よりもさらに長くなりました・・・まあ今回は会話が多いのでご容赦ください。

それでは今話もよろしくお願いいたします。

アランside


(・・・・・)


「・・・え?」


魔熊の攻撃を躱していると、突然どこからか声が聞こえた気がした、けど今はそんな声にかまっている暇はない。魔熊の攻撃は激しさを増している、ここで集中力を欠いたら炎弾は俺に当たり始める。


(・・・・・)


また声が聞こえる。声が頭の中に直接入り込んでくる。

【・・・刀を使え】だと? ふざけるな! この武器が壊れたら俺には奴に対抗する術が無くなってそこで終わりなんだぞ!


(・・・・・)


「・・・はぁ?」


誰かの声が頭に響く、その声を聴いて俺の口から呆れた声が出てしまう。

【・・・刀は壊れない】? なんの根拠があってそんなことが分かる!この刀は『零鉄』だぞ!こんな脆い刀があの炎弾を受けて壊れないなんてありえないだろ!それに壊れなかったとしても魔熊に近づくことが出来なければなんの意味もない!


(・・・・・)


声が頭に響き続ける。その声は次第に大きくなっていく。

【・・・信じて】だって? そんなの信じられる訳ないだろ! 相手は騎士団の連中を一人で殲滅してしまうほどの力を持った化物だ!今までの生活や特訓で簡単に壊れていた『零鉄』が奴の攻撃で壊れないはずはない!


(・・・お願い信じて!)


今まで微かに聞こえていた声がはっきりと聞こえてくる。


(・・・『零鉄』じゃなくて私を信じて!)


私?

私って誰だよ! 今はお前に構っていられる状況じゃないんだ、邪魔をするな!


(私はあなたの一部・・・あなたの事なら誰よりも知っている)


俺の一部だと? 一体何を言っている。


(確かに『零鉄』は脆いわ・・・でもそれは『零鉄』の特性のほんの一部分、あなたは一度でも『零鉄』で魔法を受けたことがある?)


・・・そういえば脆い零鉄では魔法を受ければ壊れると思って一度も試していなかったな。でも何でそれをこの声の主は知っているんだ?



「ごふっ!!」


突如、口からおびただしい量の血が出た、それと同時に体の動きが急激に鈍くなっていく。

ヤバい・・・呼吸が上手くできない、腹部へのダメージとその後の戦闘で肺がやられているのだろう。

満足に動けない中、ついに魔熊の炎弾を受けて俺は吹っ飛ばされ地面を転がってしまう。

急いで起き上がるが、もう立っているので精一杯だ。次の攻撃は躱せない。

そんな俺を見た魔熊が再びニヤリと笑い、トドメと言わんばかりに巨大な炎弾を作り出し放ってきた。


(お願い! 刀を使って!)


また声が頭に響く。

俺はもう動けない・・・このままでは死を待つだけだ、あの炎弾に焼かれて焦げて灰になるだけだ。

どうせ死ぬなら・・・わかったよ!おまえの望み通り、この刀であの炎弾を受けてやるよ!


「くっそぉぉぉ!!!」


俺は体が思うように動かない中、目を閉じて無理やり腕を動かし、迫りくる炎弾に叫びながら刀を振るった。

こんな刀じゃあの炎弾は防げない、刀ごと俺は炎に焼かれて死ぬだろう。


だがいつまでたっても死は訪れなかった。炎が身を焼く痛みも全く感じない。

恐る恐る俺は目を開けると手に持つ刀が目に映る。その刀は先程の刀とは明らかに違っていた。


「こ……これはっ!!」


・・・刀が赤白くなっていた。


アランside end








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