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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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一章 十五話 負傷と特殊個体

十五話目です。

前話で今話から戦闘回だといったな?あれは嘘だ!

戦闘前の話を書いていたら長くなってしまいましたすみません。

次回から戦闘開始・・・できるといいなぁー。

それではよろしくお願いいたします。

アランの目の前に魔熊イービルグリズリーがいる。

今のところはアランに気が付いていないらしく、背を向けて騎士団員の死体を爪で串刺しにして貪り食っている。周囲には骨をかみ砕く音が生々しく響いていた。

今のアレンではどう足掻いてもこの怪物には太刀打ちできない。生き残るには一刻も早くこの場より離脱するしか方法がない中、アランは恐怖で動けずにいた。

体はもちろんのこと瞬きすら出来ず呼吸もまともにできない、今のアレンに出来ることがあるとすれば怪物が自分に気が付かずにこの場を去るのを祈ることだけだった。


しばらくすると怪物が出していた咀嚼音が消えて森に音が無くなる、食事を終えたのだろう。

怪物が立ち上がりアランに背を向けたまま歩き出しアランから遠ざかっていく、どうやら祈りは通じたようだった。


「・・・はぁぁ・・・」


アランの口から安堵の息が漏れる。

しかしそこで気を抜いてしまったのがいけなかった。気が抜けるのと同時に動くようになった手足でそばの騎士団の鎧を踏んでしまったのだ。辺りに金属音が響きわたる。


歩を進めていた魔熊の動きがピタリと止まりゆっくりこちらに振り向く。

口元は遺体の血で血まみれで黒くて鋭い無数の歯がきらめいていた。両目が赤く鋭く光り、アランを射抜く。


「グルグァァァァァ!!!」


雄たけびを上げながら魔熊が物凄い速さで迫ってくる。あの巨体の突進をまともに受ければそれだけで死は確実だ。


「ぐうぅぅぅ!!!」


恐怖で動かない足を叱咤し、魔熊の突進をギリギリで避けて木々の影に身を潜める。


「・・・ガァァァァァ!!!」


標的を見失って苛立っているのか、魔熊が吠えて森の木々をなぎ倒しはじめる。


魔熊が苛立って暴れている中、木々の影に隠れているアランは激痛に襲われていた。右腹部が刺されたように痛い。痛みからして肋骨がいくつか折れてしまっているかもしれない。

魔熊の突進はなんとか躱すことができたアランだったが、突進の際に発生した暴風は直に受けてしまっていたのだ。


(化物め・・・突進そのものはギリギリとはいえ躱したってのに突進と同時に発生した暴風で周囲の木々を吹き飛ばすなんて・・・)


魔熊が突進した場所は木々が倒されて開けてしまっている。

突進だけでここまでの損害をだす化物だ、騎士団がこいつと戦って全滅するのも納得だ。


(一人で勝てる相手じゃない・・・。あいつがこちらを見失っている今のうちにこの場所からできるだけ離れないと・・・)


腹部は痛むが動けない程の痛みではない。アランは周りの騎士団の鎧を逃げる方向と逆の方向に投げ、魔熊の気を引きつけて逃げる作戦を試みようとしたその時。


ゴオオォォォォォォ・・・


何かが燃えるような音と共に焦げ臭い匂いが立ちこめてきた。アランはまさかと魔熊の様子を確認し絶望する。

音と匂いを発しているのは炎を身体に纏わせた魔熊だった。


(こいつ・・・特殊個体(イレギュラー)だったのか・・・)












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