表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
14/80

一章 十四話 惨状と怪物

十四話目です。

今回はうまく文章をまとめることが出来ました(短くまとまったとはいっていない)

次回から対魔熊戦開始です。(今話の唐突なネタバレ)

それではよろしくお願いいたします。

アランが躓いたモノは血の滴る人間の生首だった。

その首は恐怖に顔を歪ませ口を大きく開けており、今にも悲鳴を出しそうな状態だった。

しかもまだ生首は生暖かく、首から血がドクドクと出ていた。つい先ほど首を胴体から離されたようだ。


アランは心を落ち着けて生首を観察してみる。どうやらこの首は刃物等で切断されたものではなさそうだ。

切り離なされた部分は強引な力で引きちぎったようになっていてかなり惨い状態だった。

人間の首をこんな風に引きちぎるようなことは同じ人間にはできない芸当だ。この人物はなにか得体の知れない化け物にでも遭遇したのだろうか。

とにかくいまこの場所に居座るのはまずい、生首の状態からしてついさっき殺されたはずだ。一刻も早くこの場をはなれなければいけない。

アランが音を立てないように注意して動きだそうとした時、変な音がすぐ近くから聞こえてきた。


〖バキバキィ!!!クシャクシャ・・・ゴクン・・・〗


何か固いモノを砕いて咀嚼するような不気味な音が暗い森に木霊する。その音でアランは動くことができない中、月の光が強くなりアランの周囲をさらに照らし出す。


「なっ!!!!!」


アランの周囲は血の海だった。

よく見るとアランの服も血まみれだ。恐らく先程躓いて転んだ時に付着したものだろう。

しかし、そんなことに気を割く余裕はアランにはなかった。周囲には生首が無数に転がっていたのだ。

転がっているのは生首だけではなく腕や足だけの物や、内臓が飛び散ってしまって原型を留めていない物もある。

一方で数は少ないが、五体満足の遺体もあった。その遺体をよく見れば全て同じ防具を身に着けている。恐らく腕や足だけの遺体も同じものを身に着けていたのだろう。


(あの防具は・・・スピタリア王国の騎士団のものか?何で他国の騎士団がこんなところにいるんだ?)


スピタリア王国はファーネリア王国に隣接する国で、このシレミの森を抜けた先にある。

まあシレミの森は両国どちらの領土でもないので外交上は問題なさそうだが、それでもこの惨状は異常だ。

騎士団はどの国においても猛者の集まりであることは間違いない。その騎士団の遺体が無残な状態で散らばっているってことは騎士団以上の力を持つ何者かがいるということだ。


〖バキバキィ!!!クシャクシャ・・・〗


血の海の森に咀嚼音が響き続ける。どうやら音はアランの左側より聞こえるようだ。

ゆっくりと音を立てないように細心の注意を払いながらアランは音のする方へと目線をおくる。


目線の先にいたのは赤黒くて巨大な怪物だった。

身体は全身赤黒い体毛に覆われており、腕は丸太のように大きく手先には長くて太い爪が生えている。

足も同様に太いが爪は短く筋肉が発達しているように見える。

その怪物は遺体に爪を立てて串刺しにし、串焼きを喰らうように食べていた。


この怪物をアランは見たことがあった。いや、アランだけでなく学園生徒なら教科書の挿絵で誰もが見たことがあるだろう。

この大陸で人間の天敵といえる魔物の中でも最上級に危険な存在。


「・・・魔熊・・・イービルグリズリー・・・」




【読者様へのお願い】

面白かった!続きが早くみたい!

など思われた方は是非★での評価をお願い致します。

評価をしていただけると作者のモチベが上がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ