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最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
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一章 十二話 涙と罪悪感

十二話目です。

また誤字脱字報告をしてくれた方が数名いらっしゃいました。とてもありがたいことです。

投稿は相変わらず不定期になりますが、これからも頑張って行きます。

それでは今話もよろしくお願いいたします。

「何で手を抜いたりしたんだ!!!」


アランがフレアの両肩を掴み叫ぶ。彼女が手加減した理由なんてアランも当然分かっている。だが感情の高ぶりで出てしまったその言葉をきっかけとして抑えていた感情が爆発し止まらない。


「二週間後の『決闘』でデムジの奴は十中八九、俺を殺すつもりで仕掛けてくる!この特訓はそれに少しでも対応できるようになるためのものだ!手を抜いた攻撃を躱し続けていても意味がないんだよ!」


「わ・・・私はただ、アランのことが心配で・・・」


アランの突然の叫びにフレアが少し戸惑っているが、そんな彼女を気遣う余裕はなくアランは言葉を続ける。


「誰が心配してくれなんて頼んだ!誰が手を抜いてくれといった!フレアはいつもそうだ!自分が強いからって俺を助けて胸を張って・・・いつも何かあるとフレアに助けられる俺の気持ちを考えようともしない!」


アランは自分が言っていることは子供が駄々をこねるのと同じことだとわかっていた。だけど止められない。

さっきの言葉を皮切りに、今までずっと心の中に燻っていた感情がアランの口から流出する。

理性より感情が勝ってしまっていて、アランは言葉を止められずにいた。


「俺の為に特訓に付き合ってくれるなら、俺を・・・」


感情に任せた言葉を暫くアランは叫んでいたが、ふとフレアの顔をみてその叫びは止まった。


フレアが泣いていた。目尻に大粒の涙を蓄えてアランの顔を見て申し訳なさそうに泣いていた。


「ごめんねアラン・・・ごめんね・・・」


フレアが泣きながら発した言葉を聞き、アランの感情は急激に収まっていく。それと同時にフレアにした自身の行動に対して、アランに酷い罪悪感が溢れてきた。それはいとも簡単に感情を塗りつぶしていく。


涙を拭わずに謝るフレアにアランは自分の過ちをただ後悔するしかなかった。

フレアに謝罪をしたいが気の利いた言葉も思い浮かばず、肩に乗せていた手を下ろしてアランは彼女に背を向ける。


「あと二週間の間は俺一人で特訓するよ・・・力をつけて何としてでもデムジに勝って見せる」


そう背を向けてフレアに告げるとアランは森へと走り出した。

フレアの声が聞こえる中アランは走り続け、森へと消えた。

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