表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱零鉄の使い手  作者: 綾地才人
11/80

一章 十一話 出てしまった言葉

十一話目です。

今回は少し長めかもしれません。

それではよろしくお願いいたします。

「ハァ……ハァ……」


アランは苦しんでいた。

特訓が始まってから今まで、フレアの攻撃が続く中アランは攻撃を躱し続けてはいるが・・・それだけだった。

躱すだけでフレアに近づくことが全くできていない。本来この特訓は魔法攻撃を躱して接近戦に持ち込むためのものだ。ただ躱しているだけでは特訓の意味がない。


集中しすぎてアランは気づいていないが、特訓開始から既に3時間以上が経過している。それだけの間、魔法を使い続けているフレアもそうだが、動きを止めずに攻撃を躱し続けているアランも大概だ。しかしそれに気づいているのはアランと相対しているフレアだけだ。


(こんなんじゃダメだ……もっと集中しろ!こうなったら無理にでも近づいていくしかない)


火球が飛び交う中、アランが無理やりフレアに近づいていく、今まで躱すことができていた火球がアランに当たり始める。


「ぐぅ・・・うぁぁぁぁぁ!!!」


「ちょっ……アラン!?」


今まで躱すことで精一杯だった火球だ。一つの火球が命中すると連鎖的に火球がアランに命中し、アランは後方に思いっきり吹っ飛ばされた。フレアは悲鳴に似た声を出しながら駆け寄ってくる。


「いきなりどうしたの?いままでうまく火球を躱せていたのに、急に連続で被弾したわよ?」


「・・・魔法を躱し続けているだけじゃダメなんだ・・・近づいて接近戦に持ち込まないと・・・」


「それはそうかもしれないけど……今の攻撃の当たり方、()()()()()()()()()()()大怪我していたわよ?」


差し伸べられた手を取って立ち上がりながらアランが答えるが、今のフレアの言葉を聞いて耳を疑った。


(・・・威力を抑えていた?フレアのあの火球は手加減されていたものなのか?じゃあ俺は・・・手を抜いた攻撃を躱すことで精一杯だったっていうことかよ・・・)


アランはフレアが自分を気遣ってくれていたことは分かってはいた。もちろんアランに怪我をさせないために威力を抑えて魔法を使っていたことも頭では分かっている……分かってはいるのだ。

しかし今のアランにとってフレアの発した言葉は、今の今まで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という事実を突きつけられたようで絶望に近いものを感じた。


「アラン……?」


動きを止めたアランを心配そうにフレアが覗き込む。そんなフレアの顔を見ていたアランの心に黒いものがこみ上げてくる。それを抑え込もうとアランはしたが、出来ずに黒いものは急速に心を支配していく。

そしてそれが・・・その感情がアランの口から言葉としてででしまった。


「何で手を抜いたりしたんだ!!!」


・・・それは一生懸命協力してくれているフレアに対して決して言ってはいけない言葉だった。








【読者様へのお願い】

面白かった!続きが早くみたい!

など思われた方は是非★での評価をお願い致します。

評価をしていただけると作者のモチベが上がります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ