相容れぬ者達
白銀の剣と漆黒の刀が甲高い音を鳴らしてぶつかり合う。
刀身越しに伝わるその振動で相手の力強さが伝わるのを感じてナオヤはやはり種位とは不釣合いな力に眉間に皺を寄せる。
その理由はきっとこの男、ジェイドの表情を見れば分かるのだろう。
その目、その顔には明らかな殺意が込められている。
ナオヤに向けられたその敵意殺意には全くもって身に覚えがない。
いや、彼は言ったはずだ『侵略者』と、それはナオヤ自身、そして同じ境遇の者を指しているのだろうとナオヤは理解した。
そう、彼は知っているのだ。
我々プレイヤーの事を、この世界に訪れた仲間たちの事を。
そう分かってしまうと何故彼が怒っているのかが次の疑問だった。
これほどまでに感情を出すのだからそれ相応のことがあったのだろう。
「一体何がお前をそうさせる!?」
「知れた事だ、お前たちがこの世界に居るからだ!」
「仲間がお前になにかしたのか!?」
「何かだと?何もかもだ!この世界の全てがそれを物語っている!」
「なに?」
ジェイドは言う、この世界の歴史に多大な影響を及ぼしたプレイヤーの事を。
身勝手に国を作り悪戯に滅ぼし己がまるで神だと言わんばかりの行いをするプレイヤー、それは何千年も前からこの世界を侵食し続けた。何度も何度も。
それによって世界は数度滅びた。滅ぶたびにプレイヤーが現れる。
それは正に玩具だ、弄び、壊しては作るを繰り返した玩具には亀裂が、綻びが顕著に現れる。
最早この世界の寿命は殆ど無いと。
「それが理由か」
ジェイドもまたそのプレイヤーの歴史の上に成り立つ人間だ。
きっとプレイヤーもいろんなやつが居たに違いないだろう。
欲望が好奇心が冒険心が善意が悪意が今を作っているのだ。
「この世界は私たちの物だ。私たちがその欲望や好奇心で身を滅ぼすというのならそれは甘んじて受けよう、しかし異邦人がそれをしていい理由など有りはしない!」
「そうだな、お前の言っていることは間違っていないよ」
そう言うとナオヤは一度距離を取った。
刀を下ろし、ジェイドを見据える。
「分かったか、ならばここで死んで頂く!」
そう言うと剣を強く握り駆ける。
相対するナオヤは一切動かない。
剣が迫りそして遂にナオヤの首を―――。
「けれどやはり―――お前は殺り過ぎた――――――!」
「ッ!?」
ナオヤの殺意を当てられて咄嗟に後退するジェイド。
その眼前には荒々しさを見せるナオヤが刀を振り上げ構えていた。
「お前は、お前達は殺り過ぎたんだ。確かに中にはそういった連中も居ただろう。だがそれだけじゃなかったはずだ、しかしお前達は対話を求める声も全て跳ね除けて殺して殺して殺しまくった。僕は―――いや、俺はそれを許容できるほど器は大きくない!」
「そうか、いや、最初から何も変わりはしない!」
「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」
最近書くペースが落ちている!




