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INVADER  作者: 青髭
プロローグ
7/90

ネットの友達

人ごみの中ナオヤは辺りを見渡す。

するとこちらに近づいてくるプレイヤーを見つけた。

認識するとそのプレイヤーの名前が上に表示される。

紫鬼(しき)、この名前は間違いない。

紫鬼さんが話しかけてくる。


「おひさです。ナオヤさん」


「こちらこそおひさです。紫鬼さん」


互いに挨拶を交わす。

ネトゲーの基本、挨拶だ。


紫鬼の選んだ種族はゴブリンのようだ。

肌の色は濃い紫で、瞳は澄んだ青。

体格は小学生ぐらいの大きさに設定してあるようだ。

まあ、そのほうがゴブリンらしくていいか。


「ナオヤさんはリザードマンを選んだんですね。かっこいいじゃないですかー」


「いえいえ、そんなことは…って紫鬼さんはなぜにゴブリンを?」


聞いてみると紫鬼は少し項垂れる。


「まあそう思いますよね普通、何のメリットもないですし」


「まさか、アップデートとかにかけてます?」


「…じつは」


そう言いながら紫鬼は頬をかく。

『アレ』はただの噂であって事実では無いというのに。


「あっ、フレンド登録しましょうか」


「ええ」


メニューウィンドウを開き、紫鬼にフレンド申請を送る。

紫鬼の視界に通知が表示され、それをタッチして開く。

通知には『ナオヤ様からフレンド申請が来ております。承認しますか?Yes/No』と書かれている。

紫鬼は直ぐにYesを押す。

ナオヤの方に承認されたと通知が届く。


「紫鬼さんはジョブ何にしました?僕は戦士(ファイター)です」


「自分ですか?自分は魔術師(マジシャン)です。最初の個体値で魔力が一番高かったので」


「そうなんですか!そうだ、お互いのステータス見せ合いっこしましょうよ!」


「いいですよ」


再びメニューをいじりステータス画面を可視モードにする。

どれどれ、どんな感じかな?

実はSSSが表示されるかのテストも兼ねている。


名前『紫鬼(しき)

種族『ゴブリン』Lv.1下位種

性別『♂』

ステータス

体力15 魔力24 筋力3 耐久4 敏捷6 幸運11

ジョブスロット『魔術師(マジシャン)』Lv.1

スキルスロット『マジックショット』


おお、確かに魔力がデカイ。

しかしながらゴブリンなだけあって基礎値が低い。

魔力と幸運は僕より上だが他がだいぶ心もとない。

それにしてもSSSは他人には可視モードにはできないみたいだ。

もしくはまだ何も入っていないから見えていないだけか。

いや、だったらシークレットスキルスロット『空き』でいいはずなので他人には見えない仕様なのだろう。


「ナオヤさん凄い耐久じゃないですか!」


驚きの顔を見せる紫鬼。


「実は僕自身も驚いてました。いやー奇跡ってあるんですねー」


「じゃあ早速武器と防具揃えてフィールドに参じますか!」


「ええ!」


二人は武器屋へ入っていく。

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