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INVADER  作者: 青髭
三大迷宮編
40/90

先越されました

進んでいくと一つわかったことがあった。

それはモンスターがジャゴブ火山とさほど変わらないということだ。

ラーヴァゴーレムやラーヴァワームなどである。

そして厄介なことに奴らは迷宮に擬態しているのだ。

更にレベルもフィールドより高い、その分倒した時の経験値も多いが擬態してるだけあって必ず不意打ちを仕掛けてくるのだ。


具体的には普通の岩肌だと思ったらラーヴァゴーレムや岩でできたロックゴーレムだったとか、前方と後方を注意深く警戒していたら天井から襲いかかってくるラーヴァワーム、そう、四方八方がモンスターで形成されたような迷宮なのである。


仮に倒されて最初の部屋で復活したとしたら面倒である。

また街に戻されたらたまったものではない。

そうならないように細心の注意を払う。


前衛にナオヤを置き、右にクロウ、左にジャーフル、後方に紫鬼といった感じである。

ナオヤは持ち前の硬さから前衛でも問題がない。

紫鬼もレベルは高いが魔法職なので近接は向いていない。

いざとなったら左右の二人がカバーに入る。主にクロウに任せてある。

ジャーフルは今回が初迷宮なのでフリーである。

因みにだがジャーフルは職業が泥棒(ローグ)だけあって敏捷が二番目に高い。

現状はナオヤの方が高いが数十程度なので誤差の範囲である。

とまあ、こんなメンバーである。


しばらく歩いていると宝箱を紫鬼が見つけた。

中身は冷めない溶岩というものらしい。

何に使うのかは不明だがとりあえず見つけた紫鬼に渡す。

べ、別に用途もわからないしいらないから押し付けたわけじゃないんだからね!


…再び歩いていると上に行く階段を見つけた。

早速上がる。三階も特に変わらず岩肌である。

それにしてもここはすごく神経を使う。前回の迷宮はモンスターも迷宮内を徘徊してエンカウントだったがここではそれに加えて四方八方から出てくるのである。

神経が磨り減らない方がおかしい。


だがここで言ってもしょうがないことである。

四人は気を引き締めて探索に戻る。

そうだ、ここはまだ三階だ、弱音を吐いて良い場所じゃない。

この迷宮が何階層かは分からないが進むのだ。

ナオヤ達は飛びかかるモンスターを蹴散らしながら進んでいく。

休憩も定期的に挟み進んでいく。休憩時は二人ずつの交代制、いついかなる時も気を緩めない。


そしてナオヤ達四人が九層を攻略している時のことだ。

再び運営からのアナウンスが響いた。


『ただいま、第二十迷宮が攻略されました。他のプレイヤーの皆さんも引き続き攻略を頑張ってください』


運営のアナウンスによりナオヤ達の顔が驚きに染まる。

もう迷宮を攻略した速さにも驚きだが攻略された迷宮の番号にも驚いていた。


「第、二十?って待てもう攻略したのか?誰が?」


ナオヤは混乱を隠せない。

他の面々もそれは同じである。


「ここが第八迷宮っすよね?」


「ああ、そうだ、ちゃんと確認もしたからそこは間違い用がないと思う」


ジャーフルの疑問にクロウが答える。

クロウ自身も今一度フィールドマップで確認をする。

クロウは頷く。


「つまりこの数字は今出てる十五ヶ所の番号じゃないってことだな」


紫鬼の言葉に頷く面々。

そう、最初に出た五つの迷宮と今回の迷宮を合わせれば二十ぴったりとなる。

これで現状の整理は付いたので目の前の事に戻る。


目の前には扉があるのだ。重々しく、この場所に不釣合いな扉だ。

階段ではなく扉、これの意味することは一つ。


「中層のボスってことは無いから階層ボスってところかな」


「ここの迷宮(ダンジョン)が仮に百階層だった場合階層ボスは九体かな?」


「つ、疲れそうっすね…」


ナオヤの言葉に紫鬼が付け足し、ジャーフルが疲労を出しながら腕を前に出してだらける。


「それじゃあ行くか」


ナオヤが扉に手を当てて押す。

そこにはナオヤ達を待ち受ける階層ボスが佇んでいた。

巨大な溶岩の体は丸く息をするかの様に流動し、そこから生える四本の腕には溶岩や岩を持ちこちらへ投げつけようとスイングをする。

流動する体の真ん中が隆起して目玉が飛び出す。

ナオヤと目線が合った。


階層ボス、エヴィルラーヴァゴーレム。

それがこいつの名前である。

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