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INVADER  作者: 青髭
三大迷宮編
39/90

初見殺し

ナオヤたち四人はジャゴブ火山にある洞窟を抜けて開けた場所に出る。

思ったとおり、そこに迷宮(ダンジョン)は存在した。

聳え立つその塔は至る所から炎や溶岩を吹き出している。

まるで地獄の景色を見ているかのようだ。


「ナオヤ、名前があるぞ」


紫鬼がフィールドマップを見ながら言う。

どうやら今後は近づかなければ迷宮の名前は表示されない仕様になったようだ。

ナオヤも確認してみる。


「第八迷宮『円環の迷宮』…第八?」


「確か今出現してる迷宮は十五だよね、その数字では?」


「なるほど」


クロウの言葉に納得する面々。

とりあえず門の前まで行く。

更に熱さが増して嫌な感じである。

こんなことだったら一度他の街に行って熱さ対策をするべきだった。

しかしとき既に遅し、今から行けば他のプレイヤーに先を越される確率が増えてしまう。


「じゃあ行くか」


ナオヤが門に手を当てる。

紫鬼の杖を握る拳に力が入る。

皆それぞれ緊張しているようだ、特にジャーフルは初の迷宮攻略になるので目に見えて緊張している。


「だ、だだだ、迷宮(ダンジョン)…ゴクリ」


「開くぞ」


そんなジャーフルは置いておいてナオヤは扉を開く。

重々しい音と共に熱風が吹き出す。

思わず閉めたくなるが我慢する。


門が完全に開かれる。

開いただけでは中はの様子はわからず黒い空間があるようだ。

ナオヤ達は門を潜る。


門を潜ると迷宮(ダンジョン)の全容が視界に映る。

どうやら前回と違って広くない、住人ぐらいが入れそうな小部屋だった。

それに階段も部屋の奥に既にあった。


部屋の様子を見てみる。

石造りの床に壁、四方の隅には竜、鳥、獅子、鬼のマーライオンのようなものがある。

まあ、口から出てくるものは水ではなく炎だが…。


「熱!?」


気が付くとナオヤ達はドーギルの街の神殿にいた。

つまりやられたのだ。

クソッ!やられた!


「初見殺しかよ!」


「運営の意地悪さが出てるな」


「運営死すべし」


「はわわわわー」


四人それぞれの反応がある。

前者三人は迷宮経験者なのであんなものだがジャーフルがやばい。

もしかしたら壊れたかもしれない。


「大丈夫かジャーフル?」


ナオヤがジャーフルの顔の前で手を振る。

ジャーフルの目がナオヤの手を追う。


「はっ!こ、ここは!?」


「気がついたかジャーフル、行くぞ」


「どこへ?」


ナオヤの口元が上がる。


「火の海だ」


しばらくして再び迷宮の前に到着する。

しかし今度は直ぐには入らずに確認をする。


「さっきも話したけど今回の迷宮(ダンジョン)は仕掛けが多いかもしれない、細心の注意を心がけるように」


ナオヤの言葉に三人が頷く。


「最初の部屋は入ってすぐにダッシュっすよね?」


「その通りだジャーフル君、最初の部屋は入ってすぐに火の海と化す。のんびりと観光なんてしていられないぞ」


ナオヤはかけてもいない眼鏡をクイッと上げる。

紫鬼の目線が痛いが無視する。


「じゃあ行くぞ!」


ナオヤ達はダッシュして迷宮に入った。

視界が開けても足を止めずに奥の階段へ進む。

難なく階段にたどり着いて駆け上がる。


「着いた!二階!」


二階は先程と違い床も壁も岩肌で所々に溶岩が吹き出している。

ここからが本番というわけだ。

内容も迷路のような従来の迷宮のようだ。


「んじゃ、探索しますか」


ナオヤ達は奥へと進んで行った。

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