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INVADER  作者: 青髭
三大迷宮編
31/90

中央都市ギルエルキ

さて、これでこのキュトスと言う街に滞在する理由がなくなってしまった。

ナオヤとしては次に近い街に早々と行きたい所存である。

理由は単純、世界迷宮なるものを一度見ておきたかったからだ。

聞く所によると何かしらのアイテムが必要なようだし一度調査をしておきたい。

ナオヤ達はキュトスを出て第三の街、中央都市ギルエルキへ向かった。

道中モンスターと戦いながら最短で行くために走る。

そのおかげで数分足らずでついた。


ギルエルキの街でまず最初に目を見張るものがある。

それは雲を突き抜け天高くそびえる建造物。

それは塔だ、巨大な塔。

外周を螺旋状に階段が回っているのが分かる。

それにしても驚いたのがこれだけの大きさにも関わらずネーデやキュトスからは一切見えないことだ。

走っている最中に突然現れたのだ。

驚いた、天を貫くそれは最早上層の方は霞んで見えない。


此処、ギルエルキはこの世界の中心に位置する街らしい。

そしてこの街の中央からそびえる塔こそ攻略者が必須とする星契者(ガイア)があるのだ。

一度宿無しの鍵を使用して死んだ時のリスポーン地点を更新しておく。

本当に便利はアイテムである。


入口の前に着くと巨大な塔が更に巨大に見える。

当然門もネーデの門の何倍もでかく首が痛い。


「でけぇな…」


「聞いた話だと中に入るには何かアイテムが必要なんだよねナオヤ?」


「ああ、そうらしい」


3人には1つ心当たりがある。

それは何かの鍵片というアイテムだ。

その根拠はと言うと目の前の門には一つの大きな鍵穴があるのだ。

そして何かの鍵片をオブジェクト化させるとこれもそれなりの大きさをしている。

鍵穴よりは小さいが。

アイテム、何かの鍵片の説明を見るとこれを3つ集めることで変化が起きると書かれていた。

物は試しと3人の鍵片を合わせてみる。

すると鍵片が光、一つの鍵へと形を変えた。

ライジオはそれを手に取ると説明欄を開く。


「名称、世界迷宮の鍵。世界迷宮への挑戦権、御一人様一回限り…と、これがこのでけぇ門の鍵ってことで間違いはなさそうだな」


ライジオが門を小突く。

御一人様一回限りの挑戦権。

三人で挑むにはあと六つ必要であり、この鍵片が迷宮攻略時の報酬であることを考えると後二つの迷宮を最低でも攻略しなければいけない。


今現在、新たな迷宮の情報は入っていない。

フィールドマップで調べても該当は無し。

現状、世界迷宮へ挑戦する意味があるのはライジオだけだ、ならばライジオだけを行かせるという手もある。

しかしこの迷宮がどの程度のものかわからない今、一人で行くのは危険以外の何者でもない。

しかし、ライジオは笑っていた。

ギザギザした歯を見せ、鋭い目つきで塔を見る。


「なぁ、ナオヤ、紫鬼、俺は行くぜ、いや、行ってもいいか?一応お前らのアイテムでもあるわけだしな、そこはきっちりしないといけねぇ」


確かにそうだが現状自分らに世界迷宮を攻略する意味はない。

ならばライジオに託すことも可能だ。

それに。

ナオヤと紫鬼が顔を見合わせる。


「行ってこいよライジオ」


「ああ、助けてもらった礼だ、お前がいなきゃ自分も紫鬼も有象無象のプレイヤーと一緒だった。序盤で既に他のプレイヤーを出し抜くことができたのはお前のおかげだ、行ってこい」


「…恩に着るぜ」


「それはこっちのセリフだって」


ライジオは鍵を握り締めて世界迷宮と対峙する。

世界迷宮の鍵が光り、巨大化する。

鍵は門に挿さり重々しく回り始める。

開ききった門の中へライジオが入っていく。

ライジオが見えなくなる。


「行ったな…」


「さて、これからどうするナオヤ?」


と、後方から走ってくる音が聴こえる。

見てみるとそれはプリステラとトリッピーだった。

プリステラとトリッピーは以前の装備と変わっていた。

トリッピーは更にピエロらしく、プリステラは純白のワンピースを着ている。

細マッチョなのでそこまで筋肉が強調されない。

スカートが地面に着くので両端をつまんで走ってくる。

トリッピーは疲れを見せるどころか弾みながら近づく。


「ちょっとまって~!私も挑戦しま~す!!」


「はいはいーい!ミートゥー!ミートゥー!」


そのままトリッピーはプリステラを離し、1人世界迷宮へと入っていった。

トリッピーが入るとトリッピーの懐から世界迷宮の鍵が飛び出し砕け散った。

なるほど、防犯対策はバッチリのようだ。

続いてプリステラが入ると思ったがこちらに寄ってきた。


「あら、あなた達、もしかして鍵無いの?」


プリステラにライジオを行かせるために渡したと言った。

すると涙目になるプリステラ。


「友情ね…良いわ、私、鍵片ちょっとだけ余ってるのあげるわ」


ナオヤと紫鬼は何かの鍵片を一つずつ受け取った。


「それじゃ、私は急ぐわ!トリッピーとどっちが先にクリアできるか競争しているのよオホホ!それじゃお先に!」


ナオヤと紫鬼は今後の相談をすることにした。


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