攻略者の恩恵
「見事な剣技だった」
減っていたのは騎士王の方だった。
ナオヤは腰が抜けてへたり込んでいる。
「か、勝てたぁ~」
「ナオヤ!」
紫鬼が叫びながら走ってくる。
ライジオも歩いてくる。
ナオヤが立ち上がり紫鬼とハイタッチする。
ライジオも遅れて到着しハイタッチを交わす。
「では勝者達よ、誰が力を手に入れる?」
紫鬼もライジオもナオヤの背中を押す。
騎士王がナオヤを見る。
「貴殿でいいか?」
騎士王が聞いてくる。
ナオヤはもう決めていた。
「いや、いらない」
3人が驚く。
「ナオヤ?」
紫鬼が心配そうに声を掛ける。
ナオヤが紫鬼とライジオの方へ振り向く。
「ライジオ、お前が貰ってくれ」
「いいのか?」
「ああ、さっきの恩を返したくてな。ってのは建前で、素直にライジオに受け取って欲しいんだよ」
「俺は戦闘職ではないのだぞ?」
「ライジオならどうとでもなるさ」
「いいんだな?」
「勿論、紫鬼もいいよな?」
「構わないよ、助けてもらった恩もあるしな」
「感謝する」
ライジオがそう言うとナオヤと交代で騎士王の前にでる。
「では、いいんだな?」
ナオヤ、紫鬼、ライジオが揃って頷く。
騎士王はそれを見届けた。
その瞬間ファンファーレと紙吹雪が舞う。
『Congratulate!!』
「おめでとう、3人とも、騎士王の迷宮クリアだ」
3人の目の前に戦果ウィンドウが現れる。
莫大な経験値とギル。
今回もナオヤはドロップしていた。しかも5つである。
これは騎士王の陰謀か?
『ルーンの秘術書』『龍革のグローブ』『騎士の盾』『超越の種』『斬馬刀』
因みに龍革グローブと騎士の盾と斬馬刀は装備でルーンの秘術書と超越の種はアイテムである。
内容はバラバラだが良しとしよう。
ライジオの方はナオヤと紫鬼と違い、アイテムと装備品が表示される。
時間経過と共に報酬も減るという話だったがそれでも十分と言える物だった。
「では、後のことは任せたぞ」
そう言うと騎士王は消えていった。
それに伴い迷宮全体が光に包まれる。
「うわっ!?」
気づけばナオヤ達3人は平原に立っていた。
そこに迷宮があった痕跡は一切無く、唯々平原が広がっていた。
「消えちゃうんだな」
「なんだか勿体無いな」
ナオヤと紫鬼が寂しそうにする。
ライジオがフィールドマップを確認すると確かにマップ上にも騎士王の迷宮は消えていた。
「笑いの迷宮が無くなっているな…2人とも急いだ方がいいぞ」
ライジオは2人に先ほどの報酬を分配する。
ナオヤと紫鬼が驚きのあまり口が閉じなくなった。
「……」
「……マジ?」
「まあ、均等に分けるとどうしても余ってしまうので余剰分は貰うが」
「それはいいんだけど…」
ナオヤと紫鬼は互いに顔を見合わせる。
分配された内容は装備品が20個、アイテムが25である。
大放出、大放出ですよ運営さん!
その内いくつかは店に行けば買えそうではあるが他は騎士王の迷宮に飾ってあった物に違いない。
とりあえずアイテムの中に『楽園の葉』と言うパーティー全体を全回復できるアイテムがあったので使っておく。
その後直ぐに装備を各々で変えてネーデの街へと向かった。
ナオヤの迷宮戦果!
装備
『鋼の剣』『鋼の盾』『鋼の槍』『騎士王の剣』『森神の杖』『海獣殺銃』『鋼の鎧』『龍神の槍』『破邪の剣』『身代わりローブ』『聖者の指輪』『脱兎の靴』『岩砕の巨鎚』『獅子の仮面』『龍神の篭手』『闘魂ハチマキ』『生体剣』『頑丈な弓』『学者の白衣』『あったか~いローブ』
アイテム
『楽園の葉』『楽園の葉』『ハイポーション×50』『ポーション×30』『何かの鍵片』『銃弾×100』『銃弾×100』『魔通弾×100』『麻痺弾×100』『シギドリンク×30』『雷獣の紋』『不死鳥の紋』『龍神の紋』『対魔の紋』『魔獣召喚陣×3』『封印陣×5』『超越の種』『超越の種』『身代わり人形』『収納空間』『魔除けの鏡』『宿無しの鍵』『良い釣竿』『偵察虫×5』『鋼のインゴット×5』




