星と契約した者
ナオヤ、紫鬼、ライジオの3人が顔を見合わせる。
3人とも顔を横に振り、知らないとジェスチャーする。
「なんですかそれ?」
紫鬼が質問をする。
「星契者だけど?」
「だからその星契者ってのはなんなのか聞いてんだよ?」
ライジオが威圧を込めて言う。
騎士王の態度に苛立ちを感じたようだ。
事実ムカついた。
星契者、このゲーム固有の職業なのは間違いないだろう。
シークレットスキルを使うのに必要な職業ということはわかった。
他にも情報を聞き出したほうがいいだろう。
ナオヤは騎士王に質問をする。
「頼むから教えてくれ、星契者ってのは何なんだ?ガイアって言うぐらいだから大地に関係があるのか?それはどこで手に入る職業なんだ?取るためには何か必要なアイテムはあるのか?あるんだったらそれも教えて欲しい」
騎士王は困り顔をする。
しまった。質問が多かっただろうか。
しかしここで聞かなければ次に聞けるのはいつになるかわからない。
聞ける時に聞くのが1番である。
「わかった。教えよう、どうせ何時かは言わなければならないしな」
ナオヤはホッとした。
3人は耳を澄ませる。
「順に答える。まず星契約とは星と契約をした者のである。大地との関係は一応ある。世界の中心に有る迷宮で手に入る。取るために必要なアイテムは無い。強いて言うならクリアすることだ」
本当に順に答えやがった。
そのせいで少しわかりづらくなった。
主語は欲しいよね。
要するに、この世界の中心に存在する迷宮に挑み見事踏破した暁には星と契約することができるであろう。
的な?
回りくどい、まあ、回りくどいのは嫌いではない。
厨二病を患った経験のあるナオヤはそう思うのであった。
腕を組み目を閉じていたライジオが口を開く。
「なるほどな、大体わかった。では戦闘を開始しようか」
そう言いながら杖を構えた。
本当に分かっていたのか少し疑問だったがライジオなら問題ないだろう。
騎士王も同じだったようで頷く。
「ああ、そうしよう」
騎士王が剣を抜く。
金色の輝きを放つ西洋剣。
それを騎士王はひと振りして感覚を確かめる。
ナオヤも装備している騎士剣を握る。
紫鬼も杖を握り締め、戦闘態勢へと移る。
「ゴホン!…では改めて、良く困難を乗り越え、我が下へとたどり着いたな、勇敢なる戦士たちよ!お前達には我に挑戦する権利を授けよう!そして、我を倒した暁には莫大なる富と力を授けよう!!」
騎士王が剣を地面に突く。
甲高い音が鳴り響き雰囲気を出す。
「ライジオ、紫鬼、後方支援は任せたぞ」
「勿論!」
「ああ」
3人は今までの戦闘と同じ陣形に並ぶ。
前衛ナオヤ、後衛に紫鬼とライジオ。
此処に迷宮攻略の最終戦が切って開かれた。




