いきなり蹴られて
町を見てまわった。 まあ、馬車の中からだけど 。
楽しかったぞ!
アリスが「あれはなんですか!?」とか、カリアが「美味しそうな物なありますね?!行きましょう!」
なんて立ち上がったら、「お姉ちゃん、危ないでしょう!座って!」とセリアが叱って、しゅんってするカリアは、面白かった。
楽しいものだ、魔王の時は出かける事すら出来なかった。
ふむ、またアリス達と出かけよう。
そう考えていたらリザの屋敷に着いた。
相変わらずデカイなこの屋敷。
馬車が止まり俺達は降りた。
「ルシファ!!」
おっ!リザが出迎えてくれた、が!
「なに新しい女を連れて来てるのよ!!」
「ケパッ!!」
リザがドロップキックを炸裂してきた。
お前、初だぞ!元魔王にダメージを喰らわせたのは。
「ルシファ!!後で話があるから!」
痛い、痛い、倒れた俺の顔を踏んづけないで!
あっ、でも見えそう、もう少し…ガッ!
リザに…蹴られた
「さてと、アリス!元気でよかったわ!」
「はっ、はい!リザもお元気そうで、ところでご主人様は?」
「あんな奴、ほっといていいわよ!」
俺、お前の許嫁だぞ!
「で、あなた達は?」
「かっ、カリアです」
「せっ、セリアです」
俺が蹴られた事に二人の目が点になっている。
そりゃそうだ!
屋敷に来て、自分のご主人様が蹴られる事はあるはずないからな!
「カリアとセリアね、あなた達も後で話があるから」
「「はっ、はい!」」
恐い顔してるから怯えちゃってるじゃん!
あっ、ごめんなさい、私が悪いです。今の私は地面です。はい
「ルシファ、アリス、そしてそこの二人、屋敷に案内するわ!」
あ、やっと屋敷に入れるみたい。
「お嬢様!先に行かれては困ります!」
あれは確か、リザの護衛の独身25歳、男の、
「キュリーマキラムカナミラーウェットラミュアアラムサムシングエルスさんじゃあないですか!」
「どうもルシファ様、私の事はエルスと御呼びください。」
俺この人の早口言葉みたいな名前が好きなんだよな!
「それどころじゃあなく!お嬢様!窓から飛び降りるってどういう事ですか!?」
お前!そんなことをしてきたのか!むちゃくちゃするな
「いいじゃないの!それくらい」
「それくらいじゃあありません!とんでもないことです!」
窓から飛び降りるほどだから怪我してるんじゃね?
「リザ、怪我してないか?」
「なによ!してないわよ!」
「そうか」
王族のお嬢様が窓から飛び降りるなんて聞いたこともないな。さすがだぜ、リザ
「エルス!私は着替えて来るからルシファ達の案内頼んだわ」
「かしこまりました!さっ、ルシファ様こちらです」
リザは早歩きで屋敷に戻って行った。
俺達もエルスに案内され屋敷に入った。
「すごい元気でしたね」
「スゴすぎるだろ!アリスお前もあんな風になりたいのか?」
「いっ、いえ、なんと言うか、私には絶対無理です」
「だな」
「る、ルシファ様、私達どうなるんですか?」
「・・・大丈夫何とかなるさ!」
「凄く恐いんですけど!ルシファ様!」
「だから大丈夫だって!リザはあんなんだが優しい奴だ。それは保証する!」
「…分かりました」
カリアとセリアがブルブル震えている。
本当に何とかなるだろう。
それよりも、
「エルスさん、俺トイレに行きたいんですけど?」
「…分かりました、トイレはここから真っ直ぐ行って右に曲がって奥にあります」
「ありがとうございます!」
「あ、あのご主人様?」
「大丈夫だって、トイレ行くだけだし。エルスさん、アリス達を頼みました」
「かしこまりました」
俺はアリス達と別れてエルスさんに言われた方向に行った後リザの部屋に行った。
リザの部屋は前に屋敷に来た時覚えている。
だから、リザの部屋へダッシュ!
「いたたた、足をひねったみたいね」
リザが部屋で足を冷やしていた。
「はぁ、窓から飛び降りるんじゃあなかったわ」
その後に俺を蹴ったよね?
コンコンッ!
「誰?」
ガチャっとな
「リザ、無茶し過ぎた」
「ルシファ!」
あーらら、腫れてるな
「大丈夫か?足」
「大丈夫よ!だから出ていってよ!」
リザに近寄って足を見た。
「なによ、太いって言いたいわけ?」
「こんな綺麗な足を太いなんて言うわけない」
「だっ、だったらなによ!」
あっ、真っ赤になった。
「ほら、足をこっちに向けて?」
「嫌よ!そんなことはしたくないわ!」
「いいから、「ヒール」」
リザの足の腫れが引いた。
「足を動かしても痛くないわ!ルシファこんなこと出来るの?」
「ああ、まだまだあるよ」
「凄いわ!だけど、あの二人の件は許さないから!…だけど、ありがとう」
リザが俺の頬にキスをした。
可愛い奴だなー。
この後、リザに案内してもらってみんなのいる部屋に着いた。