22話
くそ、ポンコツのくせにすばしっこい奴だ。こけでもしたら膝で頚椎へし折ってやる!
「隊長、なにがっ……ど、どうしたんですか?」
部屋の外に控えていたらしいフレギが飛び込んできた。
「そこのデカイのよくやった! ほら、お前さんも部下の前でみっともないとこを見せるのはやめんか」
チッ。
あからさまな舌打ちをして追撃行動をやめる。
「久し振りだな、フレギ。問題はなかったか?」
「え、ええ。自分もウェルクも既に傷は治っております」
俺の態度が豹変したことに驚いたのか、しどろもどろに返してくる。
フレギはオルカには珍しい金髪の大男だ。ガタイもよく厳つい顔なのでまさにフランケンシュタインって感じ。その割りに射撃はとても丁寧な辺り、ギャップ萌えっていうのかな。違うね。
ともかくこいつは射撃の才能はあるみたいなんでもし狙撃しなきゃいけない時はこいつに任せようかと思っている。トルニも射撃はうまいけどあいつは別働隊の指揮とかも任せたいし。
「なら問題はない。……ラウリとイルマ、ヘルネの事は聞いたか?」
「はい、トルニから報告はありました。今でも信じられないですよ、ラウリが死んだなんて」
「騎兵に追撃されていた。誰が死んでいてもおかしくない状況だった」
「それは分かっているのですが、やはり……」
「まあ今回のような作戦はこれきりだ。帝都で警護の任務になる」
「補充の要員はあるのでしょうか」
「無きゃ俺の部隊はどうにもならない。とは言っても教育にかなり時間取られるからなあ。向こうに着いてからは忙しくなる」
「忙しいのはありがたいです。いくらかは悲しみを忘れさせてくれますから」
図体に似合わず詩的な言葉を使う奴だ。気持ちは分かるけど。
分かるけど、俺は実感したことないんだよなあ。家族なんていないも同然だし、友達はいないし。仕事場や学校で先輩後輩の関わりはあったけど、同い年の連中は同級生以上のものではなかったし。そもそも友達ってどうやったらなるもんなの? ていうか友達と何すんのか分からない。友達と買い物行ったり遊びに行ったりって話はよく聞くけど、全部一人で出来ちゃう事だろ? なんで連むの?
友達に限らず人と関わるのって胃が痛くなるくらい面倒なんだけど、友達関係ってのが一番正解が分からない。仕事関係の関わりだったら対応の仕方とかある程度類推出来るんだけど、友達関係ってどう対応するのが正解かわからないんだよなー。




