(2)
「優香………確かに…
不倫はいけない事かもしれないけど…
人を好きになる事は…自由じゃない…
自分たちの親がそんな関係だったとしても
愛し合って…
その結果 私たちが生まれたんだし…
母ちゃんは 凄く 私たちを
大切にしてたんだよ…」
「母ちゃんが 大切に思っても
不倫で傷つく人や
私たちだって 生まれた時から
父親も居なく 寂しい時もあったじゃない!
どうして?生涯を誓って 結婚したのに
他の人を好きになる訳?
理解できない!
その父と言う人には
1番 理解できないけど
母ちゃんも 理解出来ない!
相手の奥さんや子供が居たら
子供の事とか 考えなかったの?
自分さえ良ければ
何をしても良い訳?
私たちに 父親が居なくても良いと思った訳?
身勝手じゃない!」
優香は興奮した感じで
怒りが修まらない様子だった。
優香の言ってる意味も 理解できたが
まさか、こんなに批判すると思ってなかった
私は動揺しながら
言葉を探していた。
「優香…優香の言い分も解るよ…でも…
母ちゃんと 父に関しては ちょっと…
これ…また 読んで欲しいの…」
「何?コレ?」
「父が書いた本なの…
母ちゃんのとの事を書いた内容と
父から私たちへの
メッセージみたいな書き方してるから
一度 読んでみて」
「興味ない!今さら
父の事 知ってどうなるの?
今まで 父は居ないんだから
別に 居ないままで良いわよ!
母ちゃんだって…
もうすぐ死ぬ訳だし………
二人の血が通ってても
私は 絶対 そんな卑劣な生き方はしない」
「優香!そんな言い方は酷いよ…
母ちゃんも もうすぐ死ぬとか…
母ちゃんが居るから
私たちも 生まれてこれたんだし…」
「だから…生まれたくなかったって
言ってるじゃない…」
優香の冷たい言い方に落胆していた。




