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(4)



夢中で読んで 時折



戻っては 繰り返し読んでるうちに



夜明け前だった。



私はこの本を読み



優香にも 父の存在を教えようと心に思った。



いつものように



桜子を起こしに 二階へ上がったが



鍵はまだ掛かったままだった。



ドアをノックした。



「桜子、時間よ…



起きてる?」



全く返答もなく



私は、まだ桜子が



昨夜の事で 怒ってるのだと思い



それ以上 言葉をかけず 下へ下りた。



30分程 経って



桜子が下りてきた。



私はいつもと同じように 平然を装おった。



「おはよう…」



全く 見向きもせず



洗面所へ。



(はぁ…やっぱり怒ってるな…謝らなきゃ…



叩いた事は 私も 度が過ぎたかな…)



「桜子、昨日はごめんね…私もちょっと…



口やかましかったね…



叩いてしまって…



腫れてない?」



そう言いながら



桜子の頬を触ろうとした時だった。



「触らないで! 母ちゃんにも



叩かれた事ないのに…



母親みたいな真似しないでっ!」



「桜子………」



桜子の言葉がグサッと



胸に突き刺さるような痛みだった。



「本当に…ごめんね…



でも、桜子の事 心配で…だから…



でも、叩く事は 本当、大人気なかった…



許してね…」



桜子は黙って 二階へ上がって行った。



(母 ちゃんなら?



こんな場合、どうするのかな…)



結局、桜子は食事も摂らず 黙ったまま



学校へ行った。



家事を済ませ 優香へ電話をかけた。



「話しがあるの…今日会える?」



「何?いきなり…良いけど…



じゃあ、用意できたら そっちへ行くよ…」



父の事と 桜子の事を優香に話そうと思っていた。



しばらくすると 駿からも電話が入った。



「おはよう、本…読んだ?」



「ええ…一睡も出来ないぐらい夢中で読んでしまった」



「大丈夫か?寝不足は体に良くないぞ…



あっ!さっき、出版社へ連絡取れて



担当の人と話せる事になったから



上手くいけば



お父さんの連絡先 わかるかも…


頑張って 聞いてくるよ」



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