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(3)



初めて知った 母と父との愛。



そして私たちに対する愛の深さも知った。



(母は…この本の事を知ってるのかな?)



父はもしかしたら



本を通して



私たちへメッセージを残したかったのか…



そんな事を想いながら



3冊目の本『引退』を読み始めた。




読んでるうちに



また、私は衝撃が走った。



難病を患ってる娘さんは



7年間 闘病生活を送ったが



13才の時 力尽き、天国へ旅立っていた。



そして、父の本妻は



娘さんの死のショックから



鬱病になり



2年後 自ら命を絶っていた。




その後 父は政界を引退し



難病の子供たちを救おうと



ボランティア活動をしながら



作家へ転向していた。




(ピリオドでは 私達への想いを綴ってたが



何故?父は



私達の事を 想ってるなら



娘さんや奥様が 亡くなった後



私達の元へ来なかったんだろう?)



ふと、そんな事が頭を過った。



(結局、父は良い人ぶってるだけ?



言葉では 私達を愛してると書きながら



実際、 何も障害もなければ



会いに来てくれたら良かったのに…)



父に批判的な感情が



込み上げていた。



だが、そうではなかった。



父は私達だけを愛してた訳ではなく



亡くなった 娘さんや奥様も



私 達と同じように



愛していた。



人の愛を計る事は出来ない。



だから…亡くなってからも



自分の寂しさや辛さを



母や私たちへ補うのではなく



死を受け止め



そして母との 約束を守る事で



父は全ての愛を貫いていた。



父の愛が正しいのか



間違いなのか…



私には解らないが



ただ、父の愛は



果てしなく



深い愛だった事を



心に刻んだ。



本を読み 私は



より一層 父に会いたい気持ちが



強まっていた。




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