(2)
父と母は結局 別れた。
母は父に言ったように
一切 別れてから
一度も連絡をする事はなかったが
父は難病の実の子と同じように
母との間に産まれた私たちの事が気になり
当時 政治家だったので 秘書に母の身辺を
探らせていた。
母の出産の日も 全て把握して
出産後 父は変装して
伯母の病院で生まれた私たちを
一目 見ようと訪れた事も書かれていた。
双子が産まれ事に
驚き 五体満足で生まれた事に
感謝しながら 私たちに
メッセージが綴られていた。
和歌へ…そして私の娘たちへ…。
私は…今、こうして
小説を書きながら
今も君たちを想ってる。
あれから…
15年…
君たちは もう中学生だろうか?
生まれた翌日に見た
君たち二人のスヤスヤ眠ってる寝顔が
今も昨日のように
ハッキリ覚えてる。
和歌…君も変わりなく元気だろうか?
君の強さたくましさには あっぱれだよ…
本当に一度も 君からの連絡なかったね
君と出逢い 君を愛した事、
私は誇りに思っている。
私が君たちを幸せにしてあげれなかった事…
本当に許して欲しい。
和歌…私の子を生んでくれてありがとう。
子供たちへ…
生まれてきてくれてありがとう。
会う 事は出来ないが
同じ空の下 いつも
君たちの事を想い
君たちの幸せを願ってる。
父親として 全く 何もしてあげれなく
本当にすまない。
和歌となら
君たちも幸せに違いない。
どんな困難も 君たちなら乗り越えるだろう…
もし、どうしようも出来ない困難があれば
いつでも 私の所へ
来てくれて良いからね…
私は君たちの
父親だから…。
今も昔も変わらず
和歌…そして二人の娘たち…愛してるよ
父のメッセージを読み、
離れていても 父は
私たちの事を忘れず、
愛してくれてる事に
感極まり 溢れる涙を何度も拭った。




