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(2)



「何?改まって…」



「弘美…私のバッグ持って来て…」



伯母が小さなバッグを母に渡した。




「あんたが 桜子を妊娠した時…



駿の両親と話し合いしただろう…



その時…ご両親が



1000万 私に渡したんだよ…



額も多いし 断ったんだが…



駿の将来の為に



今後一切 紗香が



駿の子供を妊娠した事を



公表しないでほしいって



頭を下げられて…



で………これ…



この通帳に1000万 そのまま 残してるから…



駿、あんた…もう一度…



小さな会社 建ちあげなさい…



自分の代で終わるのも 男として辛いだろう…



これは…預かってただけ…返すよ…」



駿も私も驚き顔を見合わせた。



「けど…そのお金は…



紗香への慰謝料や桜子への養育費も



込めてのお金だと思うし…



そんな…受け取れません…」




「紗香の事…幸せにしてくれるんだろう?



桜子の事も ちゃんとサポートしてくれるんだろう?」



「勿論です…さっき話した事は



嘘でも偽りでもありません



紗香も桜子も 俺…守っていきますし…



幸せにしてみせます」



「なら…このお金は返すよ…



あっ!紗香…まだ就職も決まってないし



あんたが建ちあげたら



紗香も雇ってあげてよ…って



その前に 籍 入れたら社長 夫人だね…



まぁ、とにかく…



ご両親も あんたが



会社 建ちあげたら



安心するだろう…」



「母ちゃん………」



以前にも 伯母から



母の事を聞いていたが



母はいつも 自分の事より



周りを気にかけていた話しを思い出し



母の偉大さに頭が下がる思いだった。



「駿、母ちゃんの気持ち尊重して


一緒にまた…頑張ってみよう…」



「紗香…



お母さん………



本当に…何て言ったら良いのか…」



駿は 頭を下げ母への気持ちに冥利に尽きていた。



「和さん、ちょっと疲れてたんじゃない?



少し休んだ方が…



紗香と北川さん…



向こうで 珈琲でも入れるから



少し 和さん…休ませてあげて」



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