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前進(1)


「和さん、紗香に話してあげたら…」



「あぁ…そうだね…



紗香、母ちゃんは



間違った考えをしてきたのかもしれない…



あんた達を引き離した事…



まだ二人が幼かったから…



引き離したけど



駿は今も あんたへの想いがあるって聞いて…



紗香…もう…自由に



駿と もう一度



一からまた 愛を育んでも良いよ…



自分の気持ちを抑えないで良いよ…



ただ…桜子の事は



母ちゃんも色々 考えてるから



母ちゃんも そんな永くないだろうし



ちゃんと 桜子の事は



母ちゃんが責任持って



桜子に対応するから



もう少しだけ



母ちゃんの子供で…



それだけは 駿、紗香



母ちゃんの最後のわがまま聞いてほしい



けど…あんた達は



これからの人生を



二人で 歩んでくれたら良いから…」



母の言葉に嬉しさと



不安な気持ちが漂っていた。



「母ちゃん…まさか…



母ちゃんに万が一の時がある時…



桜子も一緒に道連れとか…



考えてないよね…?」



母は大笑いしながら



私に言った。



「あんたって子は…



本当…心配性だね…



そんな…未来のある子を



そんな事する母親がいるかい?



子供の事を真剣に考えてる親は



そんなバカな事しないよ…」



「良かった…母ちゃんが



あんな言い方するから…



駿は…母ちゃんの言った事で良いの?」



「お母さんが 桜子に



どう 考えてるかわからないけど



お母さんは本当に桜子の事



大切に思ってるし



俺は…お母さんを信じて…



だから…紗香とは前向きに



これからを考えたい…」



「紗香…あなたはどうなの?」



伯母が私に尋ねた。




本当に自分達の気持ちを



優先して良いのか躊躇っていた。



「駿と…これから一緒に歩む事は



夢みたいな事なんだけど



本当に私達がそんな風になっても



良いんだろうかって気持ちが…



素直に喜べない気持ちがあって…」



「良いって言ってるんだから



良いの! 母ちゃんの気持ちが



変わらないうちに



駿とのこれからの事 考えなよ!



後………」



母はそう言いながら また真剣な眼差しに変わった。



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