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「そうか…何か…まだ…



夢 見てるような…



でも、本当の事なんだよな…



紗香、前にも話したけど…



俺は、紗香の事 今でも想っている…



もう一度、その子と



三人で やり直せないか?」



駿の言葉に涙が止めどなく溢れた。



「駿…ゴメンネ…



桜子は…本当の事を知らないの…」



「桜子?あっ…桜子って



名前なんだ…良い名前だ…」



「あの子も思春期だし…後…母が…



自分の我が子のように桜子を育ててきて



母の生き甲斐が桜子なの…



だから………母から



桜子を奪えない…



桜子も母を本当の母だと思ってるし…



だから…駿とは一緒にはなれない…」



落胆した様子の駿だったが



いきなり 私の腕を掴んだ。



「子供の事は…事情は分かった…



でも…それで



俺たちが一緒になれない理由なんて



ないじゃないか………



まぁ、紗香が俺の事…



何とも想ってなかったら



話しは別だが…



紗香が…まだ俺を想ってくれてるなら…」


「駿………」



駿を想う気持ちがあっても



母との約束が



私を惑わしていた。



「紗香…今まで、ずっと



自分の気持ちを閉じ込めてきたんだろう…



もう、俺には…



俺だけには 本心を話してくれないか?



言ってるだろう…



1人で抱えこむなって…」



駿の 優しさに 私は駿に心を開き



本当の想いを話し出した。



今でも駿を想う気持ちは変わらないが



母との約束を裏切る事も出来ないと



話すと 駿は力強く私に言った。



「紗香のお母さんを説得するよ…



確かに…



子供に不憫な思いをさせてしまったけど…



俺も…あの時、知らなかった…



知ってたら…



もっと違う生活してたかもしれない…



俺たちが 仕出かした事の重大さは



反省するけど



大人たちが 勝手に決めた事で



俺たち離れ離れになったんだから…



本当の事 知った今…もう…



自分たちの想いを閉じ込めたくない!


俺は、これから…生涯紗香を守る…



だから説得するよ」



駿の想いが痛いほど伝わっていた。



だが、母が病気の今



私は駿が母へ説得する事を拒んだ。



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