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「駿…ありがとう…



そう想ってくれて…



嬉しい…けど



昔のようには…



戻れないよ…



時が経ちすぎたかな…



ゴメンネ…」



そんな言い方をするのが精一杯だった。



「時が経ちすぎた?



そんなの関係ないだろう…



砂時計…見た事 あるだろう…



砂時計って 逆さまにしたら



また、戻るじゃないか…



一旦は 止まっても…


また、動き出すんだよ…



俺は…時は経っても



あの頃の気持ちは



忘れてない…



お互い…少し 道は外れたけど



また…繋がってる…



そう思ってるけど…



今は…離婚の事もあって



俺の事なんて…



眼中にないだろうけど…



俺に目を向けてもらえるように…



俺、努力するよ…」



駿の愛情表現に 私は応える事が出来ない。



どんなに駿を想っても…



駿とは 元には戻れない。



駿と話せば話すほど



叶わない想いが胸を締め付けるように



苦しくなっていた。



「紗香…連絡先 教えてくれないか?」



「駿、ごめんなさい…


私…もう、駿とは…


会わない…



本当にごめんなさい」



「どうして?



俺…あんな事、言ったから?



紗香がこの先…



俺じゃなく 他の人 好きになっても



構わないんだよ…



ただ、俺も紗香を想う気持ちは



紗香が



人妻ではないなら…



俺にもチャンスがあると思って



言っただけで…


紗香の人生を束縛するつもりもないし…



こんな風に たまに会って



話をするだけでも…………



それも…無理って事?」



「ごめんなさい…」



私は泣きながら 走って 駿の元から離れた。



(駿…ごめんね…


こんなに 駿の事


想ってるのに…



駿も想ってくれてるのに…



でも…もう…



会わない…



会えない



駿………)



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