(6)
「紗姉…お客さん…
男の人………」
「えっ?私に?」
(誰だろう?)
玄関へ向かった。
「…………駿……」
(何で?えっ?どうして?)
私は ただ驚き、
桜子の事も気になり 振り返ると
桜子も 後ろに立っていたので
慌てて 駿を外へ出した。
「ちょっと…ここで待ってて…」
また家に入った。
「ちょっとだけ…
話してくるから カギ閉めて待ってて…」
「分かった…」
私はまた 外へ出て
駿の元へ行った。
「何で?って言うかここじゃなくて
ちょっと近くの公園で話した方が………」
「携帯?変えたよね?
連絡しても 通じないし…
俺、心配になって
今日…菊松庵へ行ったら…
実家に帰ってるって聞いて…
もしかして…俺が原因?
菊松庵の御主人とも 少し話をして…」
「えっ?慎太郎さんと話をしたの?」
公園に着いた。
静まりかえった中
月の灯りが
私たちを照らすような感じだった。
「御主人に 浮気相手は君かって…
今 離婚に向けて協議中って聞いて……」
「違う…
離婚に向けての話し合いはしてるけど…
駿が原因じゃない…」
「でも、御主人は…
それに…携帯 通じないようにしたのも…
俺と連絡 取りたくなかったからだよね?
この前も オ フクロがおかしな事 言ったり…
俺のせいで…
迷惑かけてしまって…」
「違うの…本当に…そうじゃなくて…」
「あっ、さっき居た子…誰?」
突然 桜子の事を聞かれ動揺する私。
「あっ…その…妹…」
「妹?紗香に妹…居たんだ…
優香と双子は知ってたけど…」
不思議そうな感じで話す駿に 私は
桜子の事がバレないか焦っていた。
「あっ、それで菊松庵の御主人に
俺と紗香は同級生だけって事は
話をしたんだけど…
誤解してるのなら
誰か 仲に入ってもらって…」
「駿…本当に違うの…
主人は…疑ってるのかもしれないけど
その事が原因ではないから…」




