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(2)


病院へ着いた。



まだ早朝だったので



薄暗く 受付のシャッターも閉まっていた。



だが、明かりが点いてるので



私が声をかけると男性が出てきた。



「今、救急車で運ばれたものの



家族なんですけど…」



「あぁ…あちらの救急処置室で



診てますので…」



私と優香は小走りに



救急処置室の所へ行くと



桜子が不安そうな顔で 立っていた。



「紗姉…優姉……」



今にも泣きそうな桜子。



「母ちゃんは?」



「まだ…処置室」



「胸が苦しいって?」



「ウン…急に 私の部屋に入ってきて



踞って…苦しいし痛いって…



段々…意識も薄れて………」



私と優香は顔を見合わせた。



「何だろう?」



暫く3人で処置室の前で



ウロウロしながら待っていた。



ドアが開き 看護師の人と先生が出てきた。



「御家族の方かな?



このまま入院してもらいます…



詳しく検査してみないとわからないので



検査した後



また詳しく説明しますので…


入院の手続きだけ


お願いします」



「あの…母は?」



「今は痛み止めの点滴をしたので



落ち着いてますよ…」



私達は先生に会釈をして



看護師の人に 母の所へ案内された。



「母ちゃん………」



母はゆっくり目を開けた。



「ごめんよ…」



「母ちゃん…良かったぁ…



母ちゃん死ぬんじゃないかって…


私………」



桜子が泣きながら母の手を握った。



「桜子……ごめんよ…



馬鹿だね…母ちゃんが死ぬ訳ないでしょ…



まだ…殺さないでよ……」



二人の姿を見て



私も、もらい泣きしていた。



看護師が来て説明した。



「早朝ですので…



暫くこちらで 点滴させて頂きます…



8時ぐらいに 部屋の方に移動しますので…



御家族の方は?どうされます?」



「あっ…誰かは付いてますので…」



「分かりました、



何かあったら



こちらのボタンを押して下さい」



「桜子も学校でしょ?



私も 子供たち



学校出させなきゃダメだし…」



「私が付いてるから



優香、桜子を送ってから 帰って…」




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