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「いいことない!
とにかく、先ず母ちゃんに 私…
話すから
駿の事は 裕太にも話して
調べてもらうから…
紗香、人生って 一度きりなんだよ…
後悔しない人生にしなきゃ…
大丈夫、私がいるから」
思いもしていなかった事が
動き出そうとしていた。
(母ちゃんに 何て話すんだろう?
桜子がショックを受けたら……)
真実を話す事が 本当に良いのか
まだ私は戸惑っていた。
「紗香、母ちゃん…
ここに来るように 呼んできて…
母ちゃんと私、ここで話すから…
紗香は家で待ってて………」
「でも………」
「いいから、私も時間ないし…早く…」
優香に言われるがまま 私は家に戻り
母に カフェへで優香が待ってる事を伝えた。
「何で?カフェに?
あんたは?行かないのかい?」
私が頷くと 母は不思議そうな顔をして
カフェへ向かった。
優香が
どんな言い方をするかも わからない私は
落ち着かず ソワソワしながら
二人の帰りを待っていた。
1時間程 経って
二人は険しい顔をして戻って来た。
(やっぱり…母ちゃんと喧嘩になったんだ…)
二人の顔を見て スムーズに
話しが出来なかったと確信した。
「紗香、母ちゃんには話したよ…
けど、母ちゃ ん…
桜子には 絶対 言わないでって…
そればっかり…
駿に話して 駿と二人一緒になりたかったら
遠く離れた所で
一緒になれば良いって
言うんだよ………
母ちゃん…自分も親なら 紗香の気持ち
何で理解してあげないのかな…?」
優香は母にまた 訴えた。
「優香…もう、いいよ
私の事で ギクシャクしたくない…」
母はタバコに火を点け
落ち着かない様子だった。
「紗香…母ちゃんも
あんたの思いは解ってるよ…
あんたが 辛い思いしていた事も…
けど…今、この時期に話すのが…
桜子も年頃だし…
ショックを受けたら…って 考えるし…
母ちゃんだって…
前にも話したように…
もし、桜子が 私から離れたら…」




