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(4)


「まるで…俺が原因のような言い方かよっ!



冗談じゃない!



お前に原因あるんじゃないのか!



お前が子供の産めない体なんだろ!



人に言う前に自分で検査してから頼めよ!



俺に恥をかかすな!



アァーッ!毎日、毎日



子供、子供って お袋からも言われ



得意先や 職人からも言われ




もう、うんざりだよ!




出かけてくるっ!」




「慎太郎さん…」




私は茫然としながら立ちすくんでいた。




(私には…原因はない…私はだって………)




そう心の中で呟いた。




暗く寒い庭先へ出ると 月の灯りが




梅の花を照らすように




光が灯されていた。




(こんなに寒いのに…梅は強いな…




私も強くなりたい…




でも…もう…限界なのかな…)




心も体も芯から冷えきった状態で




梅の花を暫く 眺めていた。




少し癒され 部屋の中へ入り




手書きで和菓子の商品の説明書きしていたので



新作の和菓子の説明を筆で書き始めていた。



一筆 一筆 丹念に書いてる時は



無になれる時でもあった。



気付けば 11時を過ぎていた。



扉が開く音がしたので 慌てて



玄関へ向かった。



「お帰りなさいませ」



「慎太郎は?車がないみたいだけど…」




「あっ…出かけられました…」




「最近 よく出かけるわね…



まぁ、あなたと二人で居ても



楽しくもないでしょうが…



子供でも居たら



あの子も子供好きだし



きっと良いお父さんになってるんだろうけど………」



また義母の小言が始まった。



暫くは黙って聞いていたが




私が慎太郎に不妊検査を薦めた事を話すと



義母は大きな声で私を罵った。



「あなた、慎太郎にそんな事 よく平気で言えるわね…


慎太郎に非があるような…



大体…あなたの所とは家柄も違い、



家とは格差があるのよ…



そんな嫁を貰って 世間に隠してあげてるのに




子供が出来ないのが




慎太郎のせいとでも言いたい訳?



おかしいでしょ!」






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