(4)
「ゴメン、どっか行く途中だったんだろ…?」
(駿…そう…あなたと私の子供…桜子の…)
そんな事 言える訳がない。
私は気持ちを圧し殺して
「あっ、実家へ宅配便を…」
「じゃあ…そこまでちょっと
話しながら…大丈夫かな?」
「ウン…」
そう言ってた駿だが
全く会話もせず
お互い 何から話そうか考えてる間に
コンビニへ着いた。
「あっ…着いちゃったな…
何か、いっぱい話したいのに…
何から話したら良いか……」
「私も同じ…あっ、少し待ってて…
これ… 渡してくる…」
私は宅配便の手続きを済ませ
缶コーヒーを2本 買って
駿にコーヒーを渡した。
「ありがとう…」
「近くに公園があるの…
そこへ行かない?」
「大丈夫?」
「少しなら…」
二人は公園へ向かい ベンチに座った。
「今日は暖かいなぁ…
この前は寒かったもんな…
所で…紗香 子供は?」
「………………」
(子供は…あなたの子供が………
なんて言える訳ないか…)
「あっ…まだ…」
「そっか…これからだよな………
何か…あの日…
紗香と久しぶりに会って…
俺…昔を色々 思い出して…
あの時…何で
あんな別れ方になったんだろう…って…」
「駿…………」
「って……今 さら 俺、何 言ってんだか…
もう大昔の事なのに」
「駿、アドレス…聞いても良い?」
「アドレス?
俺は全然 構わないよ」
「今日は…時間ないから
また、ゆっくり話せる機会 作って…
話したい…」
「分かった…俺はいつでも大丈夫だから
またメール送って」
「ウン」
私はその場で駿の携帯の
アドレスを登録した。
「じゃあ…また連絡するね…」
「ありがとう…待ってるから…」
何故かワクワクとした感情が芽生えていた。




