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(5)


私には この家にも



居場所がないと思った。



確かに 自分が子供を産める体と



証明するには



過去を暴露すれば 証明できるが



母の言う通り 暴露すれば



桜子も傷付くだろう



慎太郎との生活も



確実に終わる事も解っていた。



証明したいだけではなかった。



母になる事が出来ない



嫉妬のような感情などが



入り交じっていた。



優香が私をギュッと抱きしめ



泣きながら 私に言った。



「何も知らなくてゴメン…



紗香の気持ち…分かるよ…



私は母になったから…



辛かったね…



本当に………分かる…



でも、母ちゃんの言う通り…



桜子が…もし、今…本当の事…知ったら…



紗香の辛い気持ちは分かるけど



やっぱ、本当の事は言っちゃダメだよ…



桜子の為に…



慎太郎さんと話し合って



まだ、紗香 若いんだし



慎太郎さんと別れて



再婚したら まだ…希望はあるよ…



慎太郎さんだから



子供が産めないのかもしれないし…



紗香と私は双子だもん…



私は紗香の気持ち



凄く解ってる…



だから、悲観的にならないで…



幸せにならなきゃ…



今まで 辛い思いした分…



幸せに絶対なるんだよ…」



優香の言葉に私も泣きながら頷いた。



母も側で泣いていた。



全てを吐き出 したのと優香の言葉で



少し心が落ち着きを取り戻していた。



「私…慎太郎さんと向き合って話してみる…



ダメなら離婚…も視野にいれて…」



「あっ…そうそう…



さっき、母ちゃん 慎太郎に電話したら…


今 雛祭り前の準備で忙しいから



早く帰って来てほしいとは言ってたけど…



そうだね…向き合って話しをすれば…



慎太郎も紗香に惚れて結婚したんだから…



紗香、母ちゃん…



本当にあんたには



幸せになってもらいたい…



母ちゃんの考えが



間違ってたのかもしれないけど…



過去を振り返っても戻れないし…



母ちゃんもサポートしていくから



未来に目を向けて…



まだ、これからでも大丈夫…だから…」




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