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居場所 (1)


  2012年2月



母への不信感から



重い空気が流れていた。



母はそんな空気を察したのか



私に話しだした。



「紗香、あんたもお正月から 休みもなく


色んなプレッシャーやストレスで



疲れてるんだよ…



2、3日 ゆっくりして…



慎太郎には母ちゃんから



電話かけるから…



あまり長く家を空けると



もっと姑さんとも



修復するの大変だろうから…



あっ!優香に連絡して



久しぶりに みんなで集まって



晩ご飯でも一緒に 食べるのもいいね…」




(2、3日って…



何故?ここに居たらダメなの…?



あの家になんか



帰りたくないのに…)



私は心の中で呟いた。



そんな私の心を読み取ってるような母。



「ずっと、ここに居たらって



言ってあげたいけど…このご時世…



スナックも 繁盛していないし…



桜子と二人、生活するのがギリギリでさ…」



「私、面倒 見てもらおうなんて



思ってない…働くし…」



「慎太郎と、ちゃんと向き合って



話し合いした方が良いよ…



夫婦って長い結婚生活の中で



色々あるもんだよ…



感情的になって家を出るのは



母ちゃんはどうかと思うよ…」



母の言葉に私は



伯母から聞かされた母の過去を



思いだしていた。



(夫婦…結婚…



母ち ゃんは そんな経験ないくせに



そんなアドバイスよく出来るよな…)




母に対して



否定的な気持ちしかなれなかった。



母は隣町に住んでいる優香へ電話をした。



私が実家に帰って来ている事を話していた。




優香は久しぶりに会える事に



喜んでる様子だった。



夕方 優香が子供達を連れてやってきた。



「紗香…母ちゃんから聞いて



びっくりしたよ…元気だった?



ちょっと痩せたんじゃない?



あっ、結衣、亮太…



おばちゃんに挨拶しなさい」



優香は幼なじみの立花裕太と結婚して



二人の間に



8才と5才の子供がいた。



「こんにちは」



元気に挨拶する二人に



私もニッコリ微笑んだ。



「こんにちは…大きくなったね…」



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