表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/177

(5)



母の育て方に 口を挟む事も度々あった。



母は私が桜子に目を向けさせないように



アルバイトを勧め



私は菊松庵でアルバイトを始めた。




菊松庵でのアルバイトが



また運命を変えていった。



菊松庵の4代目



小野寺慎太郎との出会い



そして慎太郎の母親が



私を気に入ったのがきっかけで



大学進学も考えていたが



菊松庵への就職を懇願された事で



進学は諦め



母の要望で 住み込みで菊松庵へ就職した。



そう…あれから12年…



私は菊松庵での生活が続いた。




年に数回 実家へ帰る事はあったが




ほとんど日帰りで



あまり桜子と接触する事もなかった。



桜子の誕生日の日だけは忘れず



私は出来るだけ



手作りな物を桜子へ渡すのが



密かに思う 桜子へに対する母性だった。



母はそんな私の感情を解ってたからなのか



慎太郎との縁談にも乗り気で



早く良い家庭を作って



子供を作りなさいと



私に言っていた。



そう、桜子の事は



全く、誰も知らない。



慎太郎も知らない。



結婚する事で



本当の母になれる…



そんな期待なども



正直 何処かにあったのかもしれない。



慎太郎との結婚を決め



私は伯母が言ってたような



家庭を作る事を望んでいた。



周りも そうなると確信していた。



だが、そんな思いとは裏腹な状況。



そして、結婚して5年



義母との確執



慎太郎との不仲に陥り



私は実家へ帰った。



伯母と以前



話をした時の事を思い出していた。



母なら 私の今の辛さを解ってくれる…



そう信じていた。



私が赤ちゃんを産めない原因なんてない。



私は16年前



桜子を産んだのだから…



慎太郎にしても義母にしても



それを知らないし その事も話せない



だが、母は知ってる。



母なら、きっと…



そう…信じていたのに…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ