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「迷惑だなんて思ってないわよ…
私も独り身だから
逆に、紗ちゃんが一緒に住んでくれて
何か 寂しくないし…
結構…一人暮らしって寂しいのよ…
和さんが羨ましかった…
私も結婚しなくても
子供だけでも
生んでたら良かったな…って…」
伯母の言葉に
私は また少し未来の事で戸惑った。
「伯母さん…私…
赤ちゃん産んだし…
母ちゃんみたいに
赤ちゃんの為にも
将来…結婚とかしない方が良いのかな?」
伯母は笑いながら
「何で…そんな…
紗ちゃん、まだ14才じゃない…
これからは 勉強も頑張って
また 素敵な恋愛して…
本当に良い人に巡り会えたら
結婚して…
今度は自分が本当にママになるように
赤ちゃん 産んだら良いのよ…
今の赤ちゃんのママにはなれないけど
その分 和さんが
赤ちゃんにいっぱい
愛情注いでくれると思うから…
忘れる事は出来ないかもしれないけど
今回の出産は
心の中に閉じ込めて
紗ちゃんは 私や和さんが持てなかった
旦那さんが居て
可愛い子供に恵まれるような
そんな家庭 持って…
でも…その前に
勉強だね…
恋愛は また
高校生や大学に入ってからだね…」
伯母の言葉に私は
ニッコリ微笑んだ。
「紗ちゃん…
もう、今から
和さんの過去の事も
紗ちゃんの出産の事も
封印ね…
優ちゃんも知らないし
知らない方が幸せの場合もあるし…
紗ちゃんは 来年
受験だし 学業 頑張って…
あっ!後…赤ちゃんの名前…
桜子だって…
何か 病室の前の桜の木が
綺麗だったみたいで
桜子に決めたって
和さんから電話があって…」
「桜子………」
私は桜子が
私の指を握った時の事が頭に浮かんだ。




