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封印(1)


私は 母が自分の幸せよりも



私達の命を選択してくれた事に



母の愛を強く感じ



母が赤ちゃんを私から奪ったのではなく



全て 私や赤ちゃんの未来の為に



考えた結果なんだと改めて実感していた。



「じゃぁ…母ちゃんはその後…



その相手の人とは



連絡は取ってないの?」




「多分…取ってないと思う…



和さん、あなた達が生まれてからは



コンパニオンの仕事も辞めて



暫くは 子育てに専念してたんだけど



常にあなた達と



一緒に居たいって言いだして



幼稚園の頃だったかな…



店舗付き住宅を買って



昼間はあなた達と一緒に



過ごせるからって



夜 スナックを経営したのよ…



あなた達が眠ってる間に



仕事が出来るって…



本当に和さんは



あなた達を愛してるんだな…って


だから…



紗ちゃん、



和さんが あなたと赤ちゃんを



引き離したのは



本当に紗ちゃんの事を



思ってだと思うから



和さんを悪く思わないでね」



私は涙を流しながら



頷いた。



母の過去など



全く 知らなかった。



母の気性から



適当な人生を



歩んできたんだろうと思っていた。



だが、全く 違った人生



母の過去、母の思いに



私の赤ちゃんとの事は



母の言う通り



私と赤ちゃんの


未来の為に



封印して



赤ちゃんとは姉妹



離れ離れで



暮らすのが



1番良い選択だと



心に刻んだ。




伯母から 全てを聞いたからか



心もスッキリした私は



赤ちゃんの未来の幸せを願い



私もまた 新たな学校で



学生生活を満喫しようと考えていた。




「弘美伯母さん、私…


来週から 学校へ行く…



伯母さん、ごめんなさい…



私のせいで…



伯母さんにまで迷惑かけてしまって…」



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