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この時 私は母親から



赤ちゃんを奪われた気持ちになっていた。




(母ちゃんは酷い…



私から赤ちゃんも



駿も…



私が妊娠したから?



母ちゃんを困らせたから



こんな酷い仕打ちをしてるの?



何で 私が産んだのに



一緒に暮らせないの?



優香は一緒に暮らせるのに



何故?



私だけ………)



嫉妬や憎しみのような



感情だけが込み上げていた。



結局、母親は私を残し



赤ちゃんと退院した。



そして…



私は、一人暮らしの




伯母の家へ…




「学校へは手続きも済ませてあるから…



産後だし 無理しないで



後 少し休んでから



登校したら良いから....



紗ちゃん、複雑な気持ちだと思うけど



和さんは 紗ちゃんの事も



赤ちゃんの事も




凄く真剣に考えてたよ…




和さんって、いつも…そう…



自分の事より…



人の為に考えて…」




伯母の意味深な言葉に 私は母の過去を




初めて 伯母から聞かされた。




「えーっ?伯母さんと姉妹じゃないの?」



母と伯母の父親は同じだが



母親は違っていた。



伯母の母親が本妻で



母の母親は不倫関係で母を産んでいた。



母が9才 伯母も同じ9才の時



運命が変わった。



本妻が病気で亡くなり



哀しみで心が折れていた伯母の所へ



母達 が



伯母の所へ移り住んだ。



最初は伯母も戸惑い



中々 受け入れなかったが



母は懸命に明るく



伯母を励まし



接していく姿に



伯母は 母に心を打ち解け



次第に本当の姉妹のように



なっていったと聞かされた。




「伯母さん…その…不倫とか…


同い年って…



お父さんに対してとか



お祖母ちゃんに対して



恨んだり 憎んだりしなかったの?」



「全てを知ったのは



そうね…



紗ちゃんぐらいの年だったかな…




普通なら許せないよね…



でも、和さんのおかげかな…



和さん自身、私と同じ…



それ以上 複雑な環境だったのに、



とにかく人の為に



思いやる心があったから…」



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